特集:「My favorite parks 」

【3】エジンバラのプリンシズ・ストリート・ガーデンズ Princes Street Gardens East and West (Edinburgh Scotland)

イギリスの正式名称はThe United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandで4ヶ国からなる連合王国です。



大ブリテン島の北に位置するスコットランド王国の首都エディンバラは 1995年に旧市街と新市街とが世界文化遺産に登録されました。

旧市街はエディンバラ城を頂点としてその城下の重厚な石造建築群に 囲まれた石畳を歩けば中世にタイムスリップしたような感覚を覚えます。 対照的に新市街は18世紀に貴族や裕福な商人のために計画造成された ジョージ朝様式のテラスハウスが整然と並ぶ明るくおしゃれな街並みです。

プリンシズ ストリート ガーデンズは旧市街の岩山と新市街の丘との 間に挟まれた渓谷にできた緑の境界線的存在です。



その昔は城の北の防御を担う大きな湖でしたが汚染されたため、新市街の 建設と共に水を抜き特権階級の為のプライベートガーデンが誕生しました。 その後19世紀に市民公園になり現在に至ります。

1世紀以上を経て育まれた豊かな緑と手入れの行き届いた花々で彩られた 公園の見所は、どこからでも見渡せる古城です。 南側に立ちはだかる標高130mの岩山の頂には歴代のスコットランド王の 居城が歴史を物語っています。

美しい芝生に挟まれたプロムナードを歩けばスコットランドの偉人たちの 彫像が興味深く、野外劇場や遊園地もあります。



冬季にはウインターワンダーランドに変身してヨーロッパ1番のスケート リンクが出現するそうです。

世界最古の花時計は今も1時間ごとにカッコウが時を告げています。




可愛いお庭を持つ小さなお家は一体誰のお住まいなのでしょうね。



横長の公園は旧市街から新市街へ行く堤で東と西に分けられており、その上に 立つ国立スコットランド美術館では珠玉のヨーロッパ絵画コレクションを無料で 鑑賞することができます。

早朝の公園には人気もなかったのに、昼になると老若男女が三々五々集い、数珠 つなぎに並べられたベンチも芝生も満席状態でした。





ところで理想的な都市公園のモデルを考えてみましょう。 利用方法は様々だとしても、誰でもがそこそこ満足出来るいろいろな要素がふんだんに 含まれている事ではないでしょうか。もちろん周囲の環境も重要です。

早朝のジョギングやウォーキング、家族での芝生の上のピクニック、買い物の後 雑踏を逃れて自然の中でリフレッシュ、また極上のアートシーンや古城探訪の次には オープンエアーでのランチなどなど、ここは三拍子揃った素敵な公園だと思いました。


DATA
【Princes Street Gardens East and West】
http://www.princes-street.com/interest/princes-street-gardens.html







 

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[ 作者プロフィール ]

Caco
ガーデニング・
プランナー

農学部卒業後、ご主人と造園設計事務所を開所。現在に至る。

趣味:旅行、ガーデニング、テニス、絵本

トップページの「プロムナード」と「一鉢から始めるガーデニング」、新連載「私の好きな手仕事」は、ケータイ・サプリwebマガジンのための書き下ろしです。
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