特集:「My favorite parks 」
【7】モネの庭(フランス)ーA水の庭ー
Les jardins de Claude Monet
<モネの庭への入り口>
モネは作品が売れ出し余裕ができて借地だった「花の庭」の土地を買い
1893年には今までやったことのないー究極の庭を造りたいー願望から
隣地の小川の流れる湿地を購入し「水の庭」を造りました。
池を掘り、種苗店から色とりどりの睡蓮や日本産のアヤメ類・ボタン類
・ユリ類などを取り寄せ、柳・竹・シャクナゲを植え込み思い通りの庭を
造ってしまいました。
<鮮やかなシャクナゲ>
<紫の藤>
<白藤>
<黄菖蒲>
<池にかかる柳と小さい橋>
2年後には太鼓橋も造り、まさに広重の浮世絵、名所江戸百景『亀戸
天神境内』に見るような水の庭になりました。
(モネの家の部屋の壁にはたくさんの日本の版画が飾られています。)
<藤の咲く太鼓橋>
太鼓橋に見事に藤が咲いています。
<柳と藤の咲く太鼓橋>
実は庭師たちはモネがパラソルとイーゼルを持って池に現れる前に
睡蓮のしぼんだ花や枯葉を取り除き、良い状態にしておいたそうで、
そのような環境から名画「睡蓮」が誕生しました。
<睡蓮の池>
1926年にモネが亡くなり、1966年にモネの最後の子孫が途絶え、
遺言によってモネの庭、住居はフランス芸術アカデミーに寄贈
されました。
現在私たちが見学しているのは荒廃していた庭をモネの撮った
写真や絵、日記等をもとに昔通りに復元したものなのだそうです。
本などに見る写真に写るモネおじいさんの背景の庭が現在のものと
そっくり同じなのは庭師たちの日々の努力の賜物です。