特集:「My favorite parks 」

【10】台湾・林本源園邸(林家庭園)
  The Lin Family Mansion and Garden


2018年になったと思ったらもう2月、1年で1番寒い月と思うのですが 1月中にものすごい冬将軍の到来に驚き、これから一体どうなるのかしらと 不安になります。

さて、今回はお隣の国、暖かい台湾の名園をご案内しましょう。

台湾の首都、大都会台北とは一味も二味も違った昔懐かしい古い商店街を 抜けると高い石塀に囲まれた林本源園邸の入口です。


<林本源園邸の入口>


<入口から庭園に入るまでの園路>

行く手には鬱蒼と茂る巨樹が屋頂燕尾の中国式建物を天蓋のように覆っていました。

ここは18世紀後半に大陸(中国福建省)から台湾に渡った林氏が三代目に至って 大富豪となり、蘇州の留園(中国三大名園の一つ)などの江南の名園を模して作り 上げた庭園です。

整然と刈り込まれた樹木や花々の中の回廊を進みながら、台湾清朝の贅を凝らした いくつもの建物と各々に付属する趣を変えた庭が目を楽しませてくれます。


<池の向こうで楽士が音曲を奏で主賓はこちら側でそれを楽しんだ>


<山水画を思わせる趣向を凝らした美しい池畔>

扉の向こうに現れた鏡のような池に浮かぶ舞台、背後には築山や小橋が 配置され、対岸の賓客は歌舞音曲を楽しんだのでしょう。

また、四季の花々を愛でる庭や池に映る月を観賞する庭、狭いトンネルや 石段、小橋などで連携され、点在する東屋や扁額は見る者を飽きさせません。


点在する建物にはまた次の庭が連なっています。


年代を経たガジュマルの根っこ、巨大なマンゴーの木もありました。


<美しい扁額(残念ながら書いた方を忘れました。)>


<美しい扁額(吉祥文様の美しい扁額)>

故郷中国大陸に別れて南の島国で故郷を思いながら暮らした人々の庭は 豪壮華美なイメージの中国好みとは異なる静かな庭園でした。

ボランティアガイドの日本語の丁重な解説も、一昔前の台湾文化を偲ばれる 一時になりました。ところで林家庭園の住所は府中駅側の板橋区西門街で なんだか東京のようですね。

The Lin Family Mansion and Garden
http://jp.linfamily.ntpc.gov.tw/







 

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[ 作者プロフィール ]

Caco
ガーデニング・
プランナー

農学部卒業後、ご主人と造園設計事務所を開所。現在に至る。

趣味:旅行、ガーデニング、テニス、絵本

トップページの「プロムナード」と「一鉢から始めるガーデニング」、新連載「私の好きな手仕事」は、ケータイ・サプリwebマガジンのための書き下ろしです。
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