ドイツ・ファンタスティック街道と南仏の美しい村を訪ねて 
Fantastic Road in southwest Germany & the beautiful villages in French Riviera
10.フレンチ・リヴィエラの真珠とエフルッシ・ド・ロスチャイルド邸(French Riviera et La Villa Ephrussi de Rothschild)

コート・ダジュール、いわゆるフレンチ・リヴィエラといわれる地域は、カンヌ、ニース、モナコなど世界的に有名なリゾートを含み、イタリア国境に近いマントン辺りまで続きます。中でも最も美しい眺望を誇るのが、ニースからモナコに向かって海岸線を20分ほど走ったヴィルフランシュ(Villefranche-sur-Mer )付近からの眺めです。

青い海に、ヨットや大型豪華客船が浮かぶ景観は、ラグジュアリー。それもそのはず、対岸のサン・ジャン・カップ・フェラ(Saint-Jean-Cap-Ferrat) はコートダジュールの中でも超一流の高級リゾート。世界中の超リッチな人々の別荘が点在しているとか。


しかし、その雰囲気は、華美というより、上品でエレガントな美しさを醸し出しています。 この地域がフレンチ・リヴィエラの真珠といわれているのもうなずけるというもの。

サン・ジャン・カップ・フェラ(Saint-Jean-Cap-Ferrat)の丘の上には、瀟洒なミュージアム、「エフルッシ・ド・ロスチャイルド邸(Villa Ephrussi de Rothschild)」が紺碧の地中海を見下ろすように建っています。
Villa&Jardan Ephrussi de Rothschild
http://www.villa-ephrussi.com/fr/ephrussi/l
この邸宅、もともとは、ロスチャイルド男爵夫人(Baronne de Rothschild 1864-1934)によって20世紀初頭に建てられました。彼女の好んだイタリアンスタイルのバラ色の館は、1934年、夫人亡き後、アカデミー・デ・ボーザールに寄付され、今では、一般に公開されています。夏には、Les Azurialesといわれるオペラが開催され、フランスのみならず、ヨーロッパ中からの多くの人々でにぎわうそう。


ヴィラの内部には、裕福な銀行家一族のロスチャイルド男爵夫人が収集したアンティーク家具、絵画、陶磁器などが展示されていますが、 なんといっても、見所は、館を囲むようにデザインされたバラエティに富む庭園です。
フランス式、スペイン式、フィレンツェ式、日本式などの9つのテーマからなる庭園は、ボーリュー湾とヴィルフランシュ湾を眺めながら、 回遊することができます。

ピンク大理石の円柱とパーゴラがポイントの スペイン式庭園(Le jardin espagnol)は、 タイルで作られた池を取り囲むように緑が配され、ステキ!

中央の彫刻をとり囲むように馬蹄型の階段が優美な、 フローレンス(フィレンツェ)スタイルの(Le jardin florentin )イタリア式庭園。

ローマ時代の遺跡がグリーンのアクセントになった遺跡庭園 (Le jardin lapidaire)。

そして南仏の山々を背景に、白い窓枠とバラ色の外壁が印象的なヴィラの南側に広がるのは、池や噴水を擁するシンメトリなフランス式庭園(Le jardin a` la franc,aise)。 中央の池には、リズミカルに噴き上がる美しい噴水が、庭園を涼やかに演出しています。

カップ・フェラの一等地に佇むヴィラから眺める地中海は、とりわけ優美! お時間があれば、サロンで、ティータイムを。フレンチ・リヴィエラのとびきりエレガントな時間を過ごせることでしょう。

世界的なリゾート、フレンチ・リヴィエラを楽しみたいなら、このミュージアムは、はずせないかもしれません。