アート&カルチャー


第169回 神代植物公園
Jindai Botanical Gardens
(東京都調布市)



新型コロナウイルス感染症があっという間に日本、韓国などアジアそして ヨーロッパ、アメリカへと世界各国に蔓延し、WHOもパンデミックと認める事態になっています。

東京オリンピック2020もついに延期と決まり、国内のミュージアムも臨時休館を継続するところが多く、 正常化には程遠い状態です。 

しかし、こんな時でも草木は芽吹き、季節の花々はいつもと変わらず咲きほこって私たちの心をなごませてくれます。

そこで、今回は、深大寺に隣接し、素晴らしいばら園で知られた東京都調布市に位置する東京都立神代植物公園を取材してきましたので、 ご紹介しましょう。

さて、神代植物公園、もとが高台で水田には向かない土地であったため、桑畑が大半だったとか。戦後、東京都の街路樹や公園の苗木を育てる ための苗圃となり、一部は学校の遠足に利用されていたとか。

その後、昭和36年に名称も神代植物公園と改め、単なる植物園でも公園でもない都内唯一の植物公園として開園されたそうです。

現在、約4800種類、10万本・株の樹木が植えられている園内は、ばら園、つつじ園、うめ園、さくら園、 はぎ園をはじめ、植物の種類ごとに30ブロックに分けられ、風景を楽しみながら、植物の知識を得ることができる魅力的な構成。

また、古くから伝わる日本の園芸植物の品種の保存や植物・園芸に関する催しや展示会を開催、都民の緑に対する関心を 高める活動も行っています。

平成28年5月には大温室がリニューアルオープンし、珍しい熱帯の植物が集められ、鮮やかな色彩の花々を鑑賞できるようになりました。

年々整備され、魅力を増す神代植物公園、早速ご紹介してゆきましょう。4月12日まで「椿・さくらまつり」が開催されています。

電車・バスのアクセスは、京王線調布駅北口からバス(三鷹行・吉祥寺・深大寺行)で約15分、JR中央線三鷹駅南口から調布駅行・深大寺行で約20分が 便利。(深大植物公園または神代植物公園前下車)車では、第1、第2駐車場の2ヵ所があるので安心です。

この日は、第1駐車場に車をとめて前の道を渡り正門に向かいます。券売機でチケットを購入し、神代植物公園マップが掲載されている案内書を入手、 さくら園を目指し左散策路で出発すると、正面花壇のネモフィラに囲まれた彫刻に目が留まります。

さらに左手に進むと左手にガーデンビューロー(休憩所・グリーンサロン、売店)、右手には、綺麗に刈り込まれたつつじ園が広がっています。 つつじ園には、クルメツツジ156品種、サツキツツジ124品種、リュウキュウツツジ10品種など、約12000株が植えられ、 江戸時代から伝わる歴史的な品種を観賞できるまれにみる大規模なつつじ園です。

例年ツツジは、4月初旬から咲き始め、見ごろは4月中旬〜5月中旬、サツキは、5月下旬〜6月中旬だとか。

様々なつつじの植え込みの間を緩やかに下っていくと、小ぶりな池があり、池畔に咲くオオシマザクラと彫刻が美しい光景を作り出しています。

さて、次にメインのルートを山野草園に沿って進むと、左手にジンダイアケボノと名づけられたサクラの原木が見事に開花しています。

ジンダイアケボノは、神代植物公園に植栽されたサクラの中から命名されたソメイヨシノより赤みの強い一重のかわいいサクラです。

神代植物公園の職員の方により「アメリカ(akebono)」とは異なる品種であることが明らかにされたというエピソードがあり、 テング巣病にかかりにくいため、ソメイヨシノの代替えとして利用されているそうです。

さらに先に進むと大きなシダレザクラやヤエべ二シダレが爛漫と咲きほこるゴージャスなサクラの散歩道が続きます。

さくら園と築山周辺には、65品種、約600本のサクラが植栽されていて、 2月にはカンヒザクラ、続いてオオカンザクラ、そして3月下旬にはジンダイアケボノやソメイヨシノ、ヤエベニシダレが咲き、 その後も様々なサトザクラ類が開花し、4月中旬まで楽しめるそうです。

中央のススキのようなパンパスグラスが印象的な芝生広場では、サクラを眺めながら一休みしたり、お弁当を食べたりくつろぐことができます。

さて、たっぷりサクラを楽しんだら次にかえで園に沿って進み神代小橋を渡り、つばき・さざんか園に進みましょう。

古くから伝わる日本の名花、ツバキ約260品種を見ることができます。ツバキとサザンカは共に日本原産の植物。 椿の栽培・鑑賞は江戸時代初期に大流行し、多くの園芸品種が作られたそうです。ツバキは4月下旬まで見ることができます。

さて、次は武蔵野の雑木林を通り、ばら園に向かいましょう。

神代植物公園最大の見どころです。

それもそのはずこのばら園、第15回世界バラ会議バンクーバー大会で「世界バラ会連合優秀庭園賞 (WFRS Award of Garden Excellence)」を受賞しているのです。

「世界バラ会連合優秀庭園賞」は、大会中各国の代表者による評議委員会の席上で 決定されるもので、受賞条件として、常時最高水準のバラを展示していること、美しく魅力的なバラ園を一般に開放していること、 来園された一般の人たちがバラに関する知識を会得できる教育的な場であること、原種の保存を行っていること、 国際的な規模で継続的にバラを試作できることなどがあげられています。

神代植物公園は、開園当時から栽培している海外でも例を見ないほどの バラの老大株、中央部に噴水を配置した左右対称の整形式沈床庭園、ロサ・キネンシス・ミニマなど79種類の原種バラコレクション等が 評価され、受賞が決定したそうです。(神代植物公園HPより)

ばら園テラスからは、中央に噴水、その先に大温室が見通せる気持ちの良い景観を楽しめます。

花のない3月でも園内を歩けば、バラの老大株や生き生きとした新芽やつやつやした葉を見ることができますが、ぜひ花の時期にも再訪して 素晴らしい花たちを鑑賞したいもの。

今年の「春のバラフェスタ」は、2020年5月7日(木)〜6月7日(日)となっています。

さて、次は大温室を見学してみましょう。

平成28年5月にリニューアルオープンした前面ガラス張りの大温室は、正面に設置されたカリオンとともに なかなかスタイリッシュ!

左手入り口から入り、右手の出口までぐるっと見学できるようになっています。

合計1300種・品種の主に熱帯の植物が収集され、その展示は、「熱帯花木室」、「ラン室」、「ベゴニア室」、「熱帯スイレン室」、 「小笠原植物室」、「乾燥地植物室」の6つのテーマで構成されています。

「熱帯花木室」には、熱帯・亜熱帯原産の色あざやかで、多種多様な花を見ることができます。バナナ、マンゴーなどの熱帯果実や沙羅双樹、 食虫植物なども展示。 「ラン室」は洋ランを中心に150種・品種のコレクションから開花した株を展示しています。

特に充実しているのが、「ベゴニア室」です。華やかな花を咲かせる球根ベゴニアの園芸品種を中心に、その原種やレックスベゴニア、木立ベゴニア、 爽やかな香りのするベゴニアなどを鑑賞できます。

「熱帯スイレン室」では繊細な花びらが美しい熱帯スイレンが展示されています。

「小笠原植物室」では昭和23年に世界自然遺産として登録された小笠原諸島の植物を展示しています。

「乾燥地植物室」では、サボテン科の植物とそれ以外の多肉植物などを見ることができます。

さて、大温室を堪能したら温室前のカリオンに注目です。カリオンは、複数の鐘を組み合わせて旋律を演奏できるようにした楽器です。

神代植物公園のカリオンは、10時から1時間おきに3曲奏でられていて癒されます。カリオンの足元には曲名が書かれています。

さて、最後にしゃくなげ園の早咲きシャクナゲ「夢路」を鑑賞してこの日の花いっぱい散策を大満足で終了しました。

散策の後に、神代植物公園植物売店などに立ち寄るのもいいかもしれません。 ミニバラなど季節の草花などが数多く揃っています。



*神代植物公園から臨時休園のお知らせ*

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、 3月28日(土)から4月12日(日)まで臨時休園いたします。
ご注意ください。
臨時休園:本園・植物多様性センター・水生植物園
*ドックランは使用禁止となります。







【赤ちゃん連れのお母様へ】
・授乳室、おむつ交換台が園内情報棟にあります。
・おむつ交換台は、複数のトイレに設置されていますので、 神代植物公園案内図をご覧ください。





このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまお気に入りの ミュージアム情報を募集しています。 お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
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神代植物公園・正門(左手)


正面花壇

ガーデンビューロー

オオシマザクラ

ジンダイアケボノ(神代曙・原木)

シダレザクラ、ヤエべ二シダレザクラなどの咲く散策路

パンパスグラス・芝生広場

つばき・さざんか園

ばら園・大温室

神代植物公園「春のバラフェスタ」
2020年5月7日(木)〜6月7日(日)
公益財団法人東京都公園協会提供

カリヨン・大温室

大温室・ベゴニア室

シャクヤク(夢路)・しゃくやく園





施設情報

東京都立 神代植物公園

住所:東京都調布市深大寺元町二・五丁目、 深大寺北町一・二丁目、深大寺南町四・五丁目

TEL:042-483-2300

開園時間:
午前9時30分〜午後5時
※本園の最終入園は午後4時まで
※水生植物園の閉門時間は午後4時30分

休園日:
毎週月曜日(月曜日が国民の祝日や振替休日
都民の日の場合はその翌日が休園日)
年末年始(12月29〜翌年1月1日)

入園料:
一般・大人・500円(団体:400円)
65歳以上・250円(団体:200円)
中学生・200円(160円) 
※都内在住・在学の中学生は無料
小学生以下無料

※団体割引は、チケット購入者が20名以上
※身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳
または療育手帳持参の方と付添の方は無料
※無料公開日 みどりの日(5月4日)、都民の日(10月1日)

詳しくは、直接お問い合わせいただくか、
神代植物公園をご覧ください。

*取材協力・掲載許諾:
神代植物公園
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