アート&カルチャー

第188回 ウフィツィ美術館
Galleria degli Uffizi
(イタリア・フィレンツェ)



秋の気配が日々更新されています。残暑と新型コロナ対策の疲れがでる頃ですね。 緊急事態宣言が解除されても収束というにはほど遠く海外遠征はまだ先のお話です。

そこで、今回も蔵出しが続き、フランス、ドイツからイタリアに向かいます。

イタリア特集初回は筆者がこよなく愛するフィレンツェのウフィツィ美術館です。

ウフィツィ美術館は、イタリア・フィレンツェの歴史地区にあるルネサンス絵画で 有名なミュージアム。

1581年より部分的に公開された近代的美術館としてヨーロッパ最古のものといわれています。 また、イタリア国内の美術館としては最高の質と最大のコレクション数を誇ります。

メディチ家歴代の美術コレクションを収蔵する美術館であり、イタリアルネサンス絵画の宝庫!

展示物はおよそ2500点にのぼり、古代ギリシア、古代ローマ時代の彫刻から、ボッティチェリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、 ミケランジェロ、ラファエロ等ルネサンスの巨匠たちの絵画を中心に、それ以前のゴシック時代、以後のバロック、 ロココなどの絵画が系統的に展示されています。

1982年、世界遺産フィレンツェ歴史地区の一部として認定されました。

美術館の建物は、ドーリア式の回廊の上部に2階、3階部分が造られたルネサンス様式の建築物で、 全体としては中庭を中心にU字型を形成しています。

初代トスカーナ大公コジモ1世の治世下、ジョルジョ・ヴァザーリの設計で1560年に着工し、 1580年に竣工した元はフィレンツェの行政機関のオフィスです。

コジモ1世が当時各所に点在していたフィレンツェの官庁を一つの建物に集約させたもので、 建設時には周辺の一区画をすべて取り壊して建築が行われたそう。

「ウフィツィ」 Uffizi の名はイタリア語の ufficio の複数形 uffici (英語の offices )に由来するといわれています。

また、1565年コジモ1世は住居であったピッティ宮殿から、ヴェッキオ橋の2階部分に、毎日庁舎へ通うためのヴァザーリ 回廊と呼ばれる約1kmの通路も造らせました。

回廊の中には700点を超える絵画があり、中でも肖像画コレクションが充実しているそう。

1737年、メディチ家出身の最後のトスカーナ大公であるジャン・ガストーネが後継者を残さず死去し、 メディチ家は断絶。

メディチの血を引く唯一の相続人であったアンナ・マリア・ルイーザは、 「メディチ家のコレクションがフィレンツェにとどまり、一般に公開されること」を条件に、 すべての美術品をトスカーナ政府に寄贈しました。

ウフィツィ美術館は1769年、ハプスブルク=ロートリンゲン家のレオポルド1世の時代に一般に公開されるようになったのです。

さて、展示は「絵画」、「彫刻」、「版画とデッサン」、「建造物」、「書籍と資料」に分類されて展示しています。

なんといっても見どころは、「絵画」部門です。

「13世紀及びジオット」展示室では、木板にテンペラ画の傑作、ジオットの《全聖者の聖母》などが展示されています。 1310年頃にフィレンツェ全聖者の教会の中央祭壇に描かれた作品。

次の「14世紀シエナ派の絵画」ではシモーネ・マルティーニの優雅で気品ある「受胎告知」が見どころです。 正確には《聖女マルガリータと聖アンサヌスのいる受胎告知》といい、もとはシエナ大聖堂の側祭壇のために テンペラと金で制作された板絵の三連祭壇画です。

この作品はゴシック絵画の最も優れた作品の一つといわれ、高雅で繊細なシエナ派の典型的な傑作です。

「盛期ゴシック様式」室では、《国際ゴシック》と呼ばれる様式の中でも最高レベルの作品が展示されています。 中でもジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの華麗な《マジ(三賢王)の崇拝》は傑作です。

さて、「初期ルネサンス」のコーナーでは《ウルビーノ公夫妻の肖像》が見どころです。

このフェデリーコ・ダ・モンテフェルトロとバッティスタ・スフォルツァの肖像画はイタリアルネサンス期の 巨匠、ピエロ・デラ・フランチェスカにより1465年から1472年頃制作されました。

板上のテンペラ画でイタリア・ルネサンスの最も著名な作品のうちの一つであるという。広大な風景を背景として 描かれた夫妻の横顔が印象的なストーリー性のある作品。バッティスタ公爵夫人を描いている絵画の左半分は、 婦人の死後に制作されたといわれています。

さて、次はいよいよ「ボッティチェリの間」です。ボッティチェリの代表作の中でも重要なコレクションが展示されています。

なかでも《ヴィーナスの誕生》と《ラ・プリマヴェーラ(春)》は必見です。

《ヴィーナスの誕生》も《ラ・プリマヴェーラ(春)》もメディチ家、ロレンツォフランチェスコの 別荘の壁を飾るために制作されたとか。

幻想的な寓話にイマジネーションを得たこれら15世紀フィレンツェ派の代表作は洗練された クリエイティビティとエレガントなデザイン力で今でも世界中の人々を惹きつけて止みません。

いつまで観ていても飽きない作品たちに続く作品もまたまた大傑作です。

「レオナルドの間」に展示されているレオナルド・ダ・ヴィンチの《受胎告知》は、 『ルカによる福音書』に記されている、大天使ガブリエルが キリスト受胎を告げるために聖母マリアのもとを訪れた場面が描かれています。

ガブリエルは、マリアが処女懐胎の奇跡によってイエスと名付けられ「神の子」と 呼ばれる息子を授かることを伝えるために父なる神から使わされた使者。

レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」は、ダヴィンチが師事していた 彫刻家ヴェロッキオの工房で修業を積んでいた1472から1473年頃描かれたデビュー作と考えられているそう。

向かって左側が受胎告知に降臨した天使ガブリエル、右側の女性が聖母マリア。受胎告知を描いたほとんどの作品で、 天使が左に、聖母マリアが右側に描かれています。

ガブリエルが手にしている百合の花は、マリアの処女性とフィレンツェの象徴。背中の翼は、 レオナルドが描いたオリジナルでは飛翔する鳥の翼を模写したものでしたが、 後世の画家によって長く伸びた翼に描き直されているそうです。

さて、「ミケランジェロとフィレンツェ派絵画」の部屋には ミケランジェロの《聖家族》が展示されています。



ミケランジェロ(1475-1564年)は、 イタリア盛期ルネサンス期の彫刻家、画家、建築家、詩人。西洋美術史上のあらゆる分野に、 大きな影響を与えた芸術家といわれます。

「トンド・ドーニ(聖家族)」はミケランジェロの絵画作品の中で、 制作年は1503年から1506年の「唯一の」完成された板絵つまり持ち運びできる作品というのも興味深いですね。

さて「ティツィアーノの間」には、《ウルヴィーナのヴィーナス》が展示されています。 イタリアの巨匠ティツィアーノが1538年に描いた作品です。

さて、ラファエロのコーナーではやはり《自画像》に惹かれます。

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(1487頃〜1576)は、盛期ルネサンスのイタリア人画家で、 ヴェネツィア派で最も重要な画家の一人です。

当時、ヴィーナスの裸体を描くときは神格化して描くこととされていましたが、この作品には古典的あるいは 寓意的表現は見られず、官能的表現に仕上げられているのが特徴でしょうか。

今回は、イタリアルネサンス美術の宝庫ウフィツィ美術館の展示を足早かつ独断と偏見をもってご紹介してみました。、 約2500点もの名品揃いですからご紹介したのはほんの一部です。

フィレンツェにおでかけの折にはゆっくり日程を組んでウフィツィ美術館を楽しんでいただければと思います。








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ウフィツィ美術館

ウフィツィ美術館

ジョット・ディ・ボンドーネ
《玉座の聖母子(オニサンティの聖母)》1310年頃

シモーネ・マルティーニ
《受胎告知》1333年頃 

ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ
《マジ(三賢王)の崇拝》
1423年

、ピエロ・デラ・フランチェスカ
《ウルビーノ公夫妻の肖像》1467〜72年

サンドロ ボッティチェリ
《ヴィーナスの誕生》1484年頃

レオナルド・ダ・ヴィンチ
《受胎告知》1485〜80年

ミケランジェロ・ブオナローティ
《聖家族(ドー二の円形画》1506〜1580年

ラファエロ・サンティ
《自画像》1506年頃

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
《ウルヴィーノのヴィーナス》1538年頃





施設情報


ウフィツィ美術館
Galleria degli Uffizi


TEL:+ +39 055 294883
from Monday to Friday
from 8.30am to 6.30pm,
Saturday 8.30am - 12.30pm,
or go to the museum ticket offices.







詳しくは、直接お問い合わせいただくか
https://https://www.uffizi.it/en/the-uffizi をご覧ください。
 
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