アート&カルチャー


第161回
さいたま市大宮盆栽美術館
The Omiya Bonsai Art Museum,Saitama
(さいたま市北区土呂町)

長かった梅雨がようやく明け、夏本番! 真夏の太陽がまぶしい8月がやってきました。

海や山、海外で夏休みを満喫している方も多いかもしれませんね。

一方この季節は、海外からバカンスでやって来る観光客も増加しています。

最近は、海外からの観光客も日本中どこに行っても見かけるようになりました。 彼らの観光目的や興味もさまざまで、爆買いなどの物から体験へとその行動もシフトしているよう。

日本文化の素晴らしさを彼等から教えてもらうことも多く、自国文化についてもっと知っておかなければと 思うことしきりです。

そこで、今回は、最近、国内外でブームの「盆栽」について専門に紹介しているさいたま市大宮盆栽美術館をご紹介しましょう。

余談ですが、筆者の盆栽との出会いも、20年あまり前に来日した友人のフランス人からの相談がきっかけでした。盆栽を買って帰りたいので ショップを教えてほしいとのこと。あれこれ調べましたが、当時都内で盆栽店を見つけることができず、知り合いが紹介してくれた盆栽を扱っている植木屋 に同行、そこで盆栽たちと実際に初対面、彼女も無事気に入った小さな鉢をゲットして大満足で帰ったというのが、盆栽との淡い出合いです。

最近は、テレビや雑誌、絵本でも盆栽について紹介されることが多々あり、盆栽教室や専門店も盛況だとか。 海外でも「BONSAI」と呼ばれ、日本文化として親しまれているようですね。

2010年にさいたま市に開館した世界で初めての公立の盆栽美術館である大宮盆栽美術館もその普及に一役かっているのかもしれません。

さて、盆栽のメッカとして知られる大宮盆栽村に近接して開設した大宮盆栽美術館は、旧木盆栽美術館のコレクションを母体とした盆栽の名品、 優品をはじめ、盆栽用の植木鉢である盆器や、一般には水石と呼ばれる鑑賞石、盆栽が描かれた浮世絵などの絵画作品、さらに 盆栽に関わる各種の歴史・民俗資料等を系統的に収集、公開することにより、さいたま市の伝統産業にも指定されている盆栽の文化を ひろく内外に発信することを目的として活動している盆栽について総合的に紹介する美術館です。

この夏休みに向けて企画展「夏休み子どもぼんさい美術館」も開催中ということで取材してきましたので、早速ご紹介しましょう。

車でのアクセスは、首都高速埼玉新都心線「新都心西」出口より産業道路に入り、大宮盆栽美術館の表示に従い約6qで美術館の駐車場 (一般車39台・2時間まで無料)に到着します。(電車では、JR宇都宮線「土呂駅」下車、東口より徒歩約5分。)

緑に囲まれ、屋外トイレ(バリアフリートイレも有り)完備の駐車場奥に設置されている美術館東門からアプローチを進むと、左手に美術館のエントランスがあります。 明るく広々としたロビーに入ると、入口正面に飾られた「季節の一鉢」が出迎えてくれます。

受付でチケットを購入、早速コレクションギャラリーに進みましょう。音声ガイド(日・英・中・韓、4ヶ国語・300円)もありますので、盆栽初心者は お借りになるのもいいかも。

コレクションギャラリーは、プロローグ、ギャラリー、座敷飾りという3つの空間から構成されています。

プロローグでは、盆栽文化のガイダンスとして、盆栽の見方や樹形と形態、盆栽の技などが分かりやすくパネルで紹介されています。

続くギャラリーと座敷飾りが盆栽や盆石などの展示空間となっています。 ギャラリーでは、2019年8月21日(水)まで企画展「清かなる水景〜「盆石」の旅」が開催されています。 盆上に石をたて、白砂を撒いて山水景を描く「盆石」の世界が展開。モノクロームの世界に表現された、 水にまつわる様々な景色が紹介されます。(盆石の出品は、8月8日(木)に展示替え有り)

また、座敷飾りのコーナーでは、「真」「行」「草」の格式に分けられた美しい座敷が設えられ、実際に盆栽や盆石を飾りつけた空間が展示され素敵です。

座敷飾りの歴史は、室町時代に始まり、室内に書画や工芸品を飾りつける基本的な様式が整ったとあります。

さらに江戸時代には、座敷を中国の書道に由来する三つの伝統的な型から「真」、「行」、「草」の格式に分けるようになり、それぞれに合わせた飾り方が工夫されたとか。 以後、座敷飾りは、お客様をもてなす空間として、重要な役割を果たしていったそうです。

江戸時代以降は、室内にも鉢植えが飾られるようになり、やがて幕末の中国製の盆器などに植えられた盆栽が飾られるようになりました。 次いで明治時代の座敷飾りの本にも「盆栽」の文字が登場するようになったとか。

さて、こんどは、外に出て盆栽庭園を巡りましょう。庭園には、常時約60点の盆栽が展示されています。

盆栽庭園は池を中心にゆったりと大型盆栽が展示されている撮影禁止エリアと塀に囲まれて展示されている撮影可能エリアに分かれています。

まずは、撮影禁止エリアのコレクションを巡りましょう。なんといっても見所は、こちらの美術館所蔵品の中でも最大級の 「五葉松 銘 千代の松」。推定樹齢500年という気の遠くなるような樹齢、美しい樹形、堂々とした姿に感動することでしょう。

また「五葉松 銘 舞子」は古来から白砂青松とうたわれる神戸の舞子の浜を彷彿させる推定樹齢350年の魅力的な作品。

さらにジンやシャリ(枝や幹の一部が枯れて白骨化した部分)の美しい真柏の作品など、どの作品も見事!見応えあります。

撮影可能エリアに移ると、カニの甲羅のように広がった「盤根」といわれる根元と丸みをおびた葉の形状、 さらに鮮やかな緑が美しい「もみじ(獅子頭)」や枝ぶりの良い大樹のような風格のある「花梨」が目をひきます。

「花梨」は、実業家で、美術コレクターでもあった根津嘉一郎をはじめ元首相佐藤栄作や岸信介らに愛蔵され、 日本盆栽協会により「貴重盆栽」第一号に認定された傑作!

さらに、早稲田大学の創設者である大隈重信の愛蔵していたという太くたくましい幹が印象的な「黒松」なども展示されています。

盆栽庭園で、盆栽たちを根、幹、枝、葉などの部分を含めじっくりと鑑賞したら本館2階の盆栽テラスで盆栽庭園を上から一望してみましょう。 テラスには椅子なども設置されていますので、一休みすることもできます。

さて、一息ついたら、最後に企画展示室で開催中の企画展「夏休み子どもぼんさい美術館」に向かいましょう。

子どもたちが思う「盆栽ってなに?」「なんで大きくならないの?」など大人も疑問に思う盆栽に関する素朴な疑問をやさしく 解説・紹介してくれる展覧会です。

主な展示内容は、「1.盆栽ってなに?」、「2.いろいろな盆栽」、「3.盆栽のふしぎ」、「4.盆栽のむかしといま」、「5.盆栽をそだててみよう」、 「特集 1000年の盆栽を調べよう」と盛りだくさん!

受付では、展示を見ながら、クイズ形式で盆栽を学べる「学習ノート」も配布されています。学習ノートを利用する小中学生は観覧料が無料になりますので、 ご家族でトライしてみてはいかがでしょう。

プチ盆栽通になれるかも!

また、夏休みの自由研究の参考になること間違いなしです。

さらに、今年は、申し込み不要で参加できる「ワークショップまつり」と「こけ玉まつり」を多数開催されるそうなので、参加するのも楽しいでしょう。

受付に隣接するミュージアムショップには、「さいたま市大宮盆栽美術館ガイドブック」はじめ、図録やオリジナルのミュージアムグッズなどが 取り揃えられていますので、覗いてみては?

盆栽のまち大宮のご当地サイダーは大人気!冷えた「大宮盆栽だー!!」は、館内でいただけるそうです。

夏休みの一日、ご家族で、さいたま市大宮盆栽美術館にいらしてみませんか?

日本ならではの盆栽文化について学び、盆栽の奥深さ、美しさに感動することでしょう。

夏休みのおでかけスポットとしてもおすすめ!

また、紅葉や花の季節はもちろん、四季折々おでかけになるのもおすすめです。

お時間があれば、近隣の大宮盆栽村の盆栽園に立ち寄られるのもいいかもしれません。





【赤ちゃん連れのお母様へ】
・大宮盆栽美術館はベビーカーで入館できます。
・おむつ替えは、1Fの2か所のみんなのトイレにおむつ替えシートがあります。



このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまお気 に入りの ミュージアム情報を募集しています。 お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せください。 お待ちしております。




大宮盆栽美術館

エントランスロビー
季節の一鉢

ロビーから盆栽庭園を望む

企画展「清かなる水景〜「盆石」の旅」
(2019年8月21日[水]まで)

座敷飾り
「真の間」

2F盆栽テラスから盆栽庭園を望む

「もみじ(獅子頭)」

「花梨」

企画展「夏休み子どもぼんさい美術館」
(2019年8月28日[水]まで)

企画展「夏休み子どもぼんさい美術館」展示風景

企画展「夏休み子どもぼんさい美術館」展示風景



 



施設情報

さいたま市大宮盆栽美術館

住所:埼玉県さいたま市北区土呂町2-24-3

TEL:048-780-2091

開館時間:
(3月〜10月)午前9時〜午後4時30分
※入館は午後4時まで
(11月〜2月)午前9時〜午後4時 
※入館は午後3時30分まで

休館日:
木曜日(祝日の場合は開館)
年末年始、臨時休館日あり

観覧料:
一般 300円(200円)
高大生・65歳以上 150円(100円)
小中学生 100円(50円)
※障害者手帳をお持ちの方と、
付き添いの方1名は半額
※( )内は20名以上の団体料金

詳しくは、直接お問い合わせいただくか、
さいたま市大宮盆栽美術館をご覧ください。

*取材協力・掲載許諾:
さいたま市大宮盆栽美術館
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