アート&カルチャー


第173回 国立天文台 野辺山宇宙電波観測所
 Nobeyama Radio Observatory
(長野県・野辺山)



いつもは夏のバカンスシーズン真っ只中の8月が、今年はコロナ禍で、学校も会社も夏休みのスケジュールが大幅に変更されています。

それどころか、ようやく感染拡大が収まってきたと思う間もなく再び感染拡大第2波と思しき傾向に気の休まる間もありませんね。

これがウィズコロナの新常態というものなのでしょうか?

そこで、今回は、おでかけ組にもステイホーム組にもこのページをご覧いただくだけでリフレッシュできるおすすめの文化 施設をご紹介しましょう。

八ヶ岳の麓、長野県南佐久郡南牧村野辺山に位置する「国立天文台野辺山宇宙電波観測所」(国立天文台野辺山)の見学コースです。

国立天文台野辺山は、 大学共同利用機関法人自然科学研究機構の研究所を構成する国立天文台の一つで、日本を代表する 電波天文学の「聖地」といわれています。

戦後間もない頃に誕生した日本の電波天文学は、 野辺山にて、太陽電波の観測、さらに45m電波望遠鏡を中心とした 宇宙電波の観測によって、世界レベルへと発展しました。

国立天文台野辺山の設備は、全国はもとより世界中の研究者に解放され、国内外から多くの研究者が訪れて電波天文学の研究や 装置の開発・改良などを行っていて、電波天文学における国際的な拠点としての役割を担っています。(国立天文台野辺山HPより)

野辺山になぜ宇宙電波観測所が造られたかというと、天体からの電波はとても弱く、大気中の水蒸気に吸収されて さらに弱められてしまう性質があるため、観測には標高が高く水蒸気の少ない所、人工の電波が少ない所が適しているのです。

野辺山高原は、標高1350mで水蒸気量が少なく、まわりを山に囲まれた平坦な地形で、寒冷地でありながら 雪が少ないことなどから、電波の観測に最適な場所として選ばれました。

構内には、「45m電波望遠鏡」、「ミリ波干渉計」、「太陽電波強度偏波計」、「電波ヘリオグラフ」などの観測装置が設置されています。

国立天文台野辺山への車でのアクセスは、東京方面からは、中央自動車道須玉インターより国道141号線で清里方面へ約30km。または中央自動車道 長坂インターより清里道路を経て約20km。名古屋方面からは、中央自動車道 小淵沢インターより八ヶ岳高原道路を経て約30km。

電車では、JR鉄道最高地点として知られたJR小海線野辺山駅下車徒歩約40分です。

さて、駐車場に車を止め、受付に向かいます。一般は年末年始を除いて毎日、通常期間は、8:30ー17:00(夏季・8:30−18:00) 自由に見学コースを巡ることができます。(6月から屋外の散策に限定して、野辺山宇宙電波観測所構内見学コースが再開)

見学は無料ですが、受付で記帳し、観測の妨げになるスマホなど電子機器の電源を切るよう、また、現在は、事前の健康チェック、マスク着用、ソーシャルディスタンスなど 新型コロナ感染防止対策など注意が必要です。

受付を済ませたら、早速解説パネルを見ながら見学コースを進みましょう。

見学コース内からは、目の前に展開する八ヶ岳の山並みを背景に巨大な電波望遠鏡をはじめ ミリ波干渉計が林立する雄大な景色を楽しむことができます。

干渉計アンテナを移動するために使っていたレールに沿った見学コースを進むとほどなく アンテナ直径10mのミリ波干渉計が現れます。

ミリ波干渉計は、6台の望遠鏡をつなぎ、最大で直径約600mの電波望遠鏡に相当する観測ができる装置。

主に、天体の様子を細かく観測することに威力を発揮してきましたが、現在は科学運用を終了して、その技術は南米チリにあるアルマ望遠鏡へ 受け継がれているそうです。

さらに進むと巨大な45m電波望遠鏡の足下に到着です。

ミリ波観測では、世界最大級の口径を誇る精度の高いアンテナと独自に開発した最新鋭の受信機を備え、非常に弱い電波もとらえる超高感度の こちらの45m電波望遠鏡は、1982年の完成から今日まで30年以上第一線で活躍を続け、未知の宇宙を切り開く研究で威力を発揮してきました。

八ヶ岳の自然の中に溶け込んだその堂々とした姿を眺め、悠久の宇宙からやってきた電波をとらえているかと思うとひと時コロナ禍を忘れそう。

さて、次は、電波へリオグラフが並ぶフィールドを見てみましょう。

直径80pのアンテナを84台つないで太陽の画像を撮る電波望遠鏡です。

2015年4月から名古屋大学宇宙地球環境研究所が運用を引き継ぎましたが、現在運用は終了しているそうです。

また、構内には太陽電波強度偏波計もあり、太陽全体からくる電波の強さと特性(偏波)を測定する装置も設置されています。 60年以上にわたる観測は世界でも珍しく、太陽の長周期変動を知る上で、貴重なデータとなっています。 そして、このデータは、インターネットで公開され、世界中の研究者が利用しているそうです。

さらに見学コースの一角には、展示用アンテナなども設置されています。

その他通常は、自然科学研究機構野辺山展示室も公開され、天文台と関連施設の活動をパネルなどで紹介しています。

光学望遠鏡では見えない宇宙のガスや塵が放つ電波を受信する電波望遠鏡群を八ヶ岳の美しい山々を背景に見学できる国立天文台野辺山の見学コース。 電波を観測することで宇宙の謎を解き明かす「電波天文学」研究のほんの一端を垣間見ることができるおすすめの文化施設です。

尚毎年一回開催される特別公開は、『今年はおうちで特別公開』です。
*2020年8月29日(土) 9:30より(リアルタイム配信は当日、録画等はしばらくの間視聴可能) 特別講演会など情報満載!視聴されてはいかがでしょう。

また、国立天文台野辺山構内では熱中症予防のための水分補給を除いて飲食が禁止されています。 見学後のランチやカフェには、隣接した「南牧村農村文化情報交流館 ベジタボールウィズ」(冬季閉鎖) (http://www.star-nobeyama.com/)のレストランが利用できます。(新型コロナ対策実施、三密を避けご利用下さい)



【赤ちゃん連れのお母様へ】
・国立天文台野辺山の見学コースはベビーカーで入場できます。
・おむつ交換台の位置は、見学コースの構内地図をご参照ください。
・熱中症対策と紫外線対策をお忘れなく!






このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまお気に入りの ミュージアム情報を募集しています。 お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
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野辺山高原 JR鉄道最高地点

国立天文台 野辺山宇宙電波観測所
 

国立天文台 野辺山宇宙電波観測所
見学コース

ミリ波干渉計

45m電波望遠鏡

電波へリオグラフ

展示用アンテナ

南牧村農村文化情報交流館






施設情報



大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
国立天文台 野辺山宇宙電波観測所


住所:長野県南佐久郡南牧村野辺山462−2


TEL:0267-98-4300

*見学*
(自由に見学コースをまわることができます。)
公開時間:8:30〜17:00(通常)
8:30〜16:00(夏季:7/20〜 8/31 )
通常公開:年末年始を除き毎日見学可
特別公開:電波天文学研究の内容と観測所の施設紹介のため 年1回夏季に開催(2020年はオンライン配信) 

入場料:無料

詳しくは、直接お問い合わせいただくか、
国立天文台野辺山宇宙電波観測所をご覧ください。

*取材協力・掲載許諾:
国立天文台野辺山宇宙電波観測所
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