アート&カルチャー


第136回 紙の博物館
Paper Museum
(東京都北区)



梅雨が明けるといよいよバカンスシーズンですね。

夏休みに入る7月は海に山に海外にと、お出かけの方も多いことでしょう。

そこで今回は、 お出かけ前にも気がかりな夏休みのお子さまの自由研究にも役立ち、しかも 創作折り紙作家・吉澤章(1911−2005)氏の珠玉の作品が鑑賞できる 「作品寄贈記念展 ORIGAMI〜"神宿る手"吉澤章のまなざし〜」が開催されている「紙の博物館」をご紹介しましょう。

紙の博物館
http://www.papermuseum.jp/

「紙の博物館」は、1950年(昭和25年)、和紙・洋紙を問わず、古今東西の紙に関する資料を幅広く 収集・保存・展示する世界有数の紙の総合博物館として、東京・王子に誕生しました。

王子は、明治初期に近代的な製紙工場のさきがけとなった工場が設立された地で "洋紙発祥の地"として知られています

その後、首都高速中央環状王子線建設に伴い移転、1998年(平成10年)飛鳥山公園内に 「紙の博物館」として新装オープンし現在に至っています。

飛鳥山は、江戸時代からの桜の名所。江戸享保期に行楽地として整備され、明治6年には上野公園などと共に 日本最初の公園に指定されました。

その由緒ある土地に建つミュージアム、早速取材してきましたのでご紹介しましょう。

紙の博物館へのアクセスは、JR京浜東北線王子駅南口から徒歩5分と便利です。 小さいお子さま連れには、JR王子駅中央口改札を出て左手すぐの公園入り口から山頂まで飛鳥山公園モノレール (アスカルゴ・無料・10時〜16時)を利用するのがおすすめです。

緑濃い飛鳥山公園に降り立ち表示に従って進むと、児童公園の先に建つ緑に囲まれた「紙の博物館」に到着します。

建物2階にあたる正面玄関を入り、券売機でチケットを購入、まずは常設展から観てゆくことに。

2Fの第1展示室と3Fの第2展示室、4Fの第3展示室が常設展示となっています。

第1展示室は、「現代の製紙産業」と題し、紙の原料、製造工程、紙製品、製造機械などが紹介されています。

まず、「ポケットグラインダー」という装置に目が止まります。こちらは、機械パルプを製造する装置。 段ボール製造機なども展示され、興味深いです。

また、一角には、紙の製造工程をやさしく紹介するビデオも設置されていますので、 丈夫な段ボールの椅子に座ってご覧になるのもおすすめです。

さて、次に3Fの第2展示室に進みます。このコーナーでは、紙のしくみとリサイクルについて、 小学生向けにわかりやすく解説しています。

紙について楽しく学べるパソコンクイズや、紙についてのQ&Aコーナーもありますので、小学生のお子さま連れに、 おすすめです。

4F第3展示室では、「紙の歴史」をテーマに、紙の誕生から和紙・洋紙の歴史が紹介されています。 紙以前の書写材料から、紙の誕生と伝播、和紙の歴史、製造工程、世界の手すき紙の歴史などについて 展示されています。

様々な紙の風合いを、実際に触って確かめられるコーナーもあります。

美しい「紙衣・歌舞伎の舞台衣装」や「金唐革紙」、「透かしの紙」の展示も見どころ。

さて、4Fの第4展示室で開催されている特別展が「作品寄贈記念展 ORIGAMI 〜"神宿る手"吉澤章のまなざし〜」。

創作折り紙作家・吉澤章氏は、折り紙を芸術の域に高め「ORIGAMI」を世界に広めたことで知られています。

昔から私たちに親しまれている折り紙は、線と線、角と角を合わせて折るものでしたが、吉澤氏は、独自の理論 と技術に基づいた自由な表現による「創作折り紙」を生み出しました。

吉澤氏の折り紙が世界に知られるきっかけとなったのが、1955年(昭和30年)、オランダ・アムステルダム市立 美術館で開催された個展でした。

しかし、当時展示された作品はその後行方不明となり、50年以上たった2004年にようやく一部が返還されたとか。

今回の展覧会は、「紙の博物館」へ作品の一部が寄贈されたことを記念し、寄贈作品の中からアムステルダム 市立美術館出展作品と生涯で創作された作品が展示されています。

まず、魅了されるのが、「神宿る手」と評された吉澤氏の代表作の一部となる、 「鶴の巣籠り」、「ゴリラ」、「キャピトルの雌狼」など、愛情豊かな動物親子を表現した作品。

「きじ」など端正な格調高い作品、とても一枚の紙からできていると思えないリアルな「かに」などなど。

会場中央には、2匹の「ゾウ」が展示されています。紙から折られたとは思えない、どっしりとした 存在感のあるぞうたちです。

「修道女」と題された白、黒の凛とした美しい作品も魅力的!

そして、カラフルでかろやかな「チョウ」もステキ!

動きの表現が素晴らしい「体操」。そして、「希望」、「絶望」と題する抽象作品も展示されています。

自画像をはじめとする、面作品の数々も素晴らしいです。

干支を表現する作品群も並べられています。

海の生き物を表現した夏の展覧会らしい作品群もあります。

一角には、吉澤章氏ご自身が自作を語られるビデオが上映されていますので、 お時間があれば、視聴されることをおすすめします。

紙に命を吹き込む、吉澤章創作折り紙の世界を堪能したら、2Fのミュージアムショップに立ち寄るのも楽しいでしょう。

紙の博物館関連書籍やポストカードをはじめさまざまなペーパーグッズが取り揃えられています。

日本各地の和紙製品の品揃えが良いのも特徴です。

夏の一日JR王子駅からほど近い緑豊かな飛鳥山公園に佇む「紙の博物館」にいらしてみませんか?

生活になくてはならない紙にまつわる様々な事柄をあらためて学習し、「作品寄贈記念展 ORIGAMI 〜"神宿る手"吉澤章のまなざし〜」でアートを堪能、充実した時間を過ごすことができるでしょう。

夏休みのお子さま連れお出かけスポットとしてもおススメです。小学生のお子さまには 自由研究のヒントが満載!

「子どもと楽しむ折り紙教室」をはじめ展覧会関連イベントが多数開催されますので、詳細を博物館HPで ご確認の上、参加されるのも楽しいでしょう。

小さなお子さま連れには児童公園が隣接しているのも魅力です。

また、「紙の博物館」では、2017年09月16日(土)から2018年03月04日(日)まで、 「紙で旅するニッポン〜四国編〜」が開催されます。

四季折々お出かけになるのもおすすめです。











【赤ちゃん連れのお母様へ】
・「紙の博物館」はベビーカーで入館できます。
・おむつ交換ができるベビーシートは、館内1階の
 多目的トイレに設置されています。
・飛鳥山公園の一角に有料駐車場があります。



このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまお気に入りの ミュージアム情報を募集しています。 お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せください。 お待ちしております。




紙の博物館

紙の博物館

2F第1展示室

3F第2展示室

4F第3展示室 
紙衣・歌舞伎の舞台衣装

ゾウ
吉澤章
紙の博物館所蔵

きじ
吉澤章
紙の博物館所蔵

チョウ
吉澤章
紙の博物館所蔵

ミュージアムショップ

飛鳥山公園内児童公園



 



施設情報

紙の博物館(公益財団法人)

住所:東京都北区王子1-1-3(飛鳥山公園内)  

TEL:03-3916-2320

開館時間:
10:00〜17:00(最終入館16:30まで)

休館日:
月曜日(祝日の場合は開館)
祝日の翌日、年末年始

観覧料:
大人 300円(240円)/小中高生 100円(80円) ( )内は20名以上の団体料金

詳しくは、直接お問い合わせいただくか、
紙の博物館 をご覧ください。

*取材協力・掲載許諾:紙の博物館

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