アート&カルチャー

第202回 杉並区立 大田黒公園
東京都杉並区


東京の紅葉もフィナーレに近づきました。

そこで、12月のアート&カルチャーは今年最後の紅葉づくし!

日中とライトアップと両方の紅葉の美しさを楽しめるアーティスティックな紅葉の穴場に行ってきましたので、ご紹介しましょう。

その舞台は、東京都杉並区荻窪の閑静な住宅街に佇むとびきり素敵な庭園と記念館そして茶室を擁する 「杉並区立大田黒公園」です。

音楽評論家・大田黒元雄氏(1893年1月11日ー1979年1月23日)の屋敷跡地を杉並区が整備し、1981(昭和56)年10月1日に開園した 日本庭園です。

「公園にしてほしい」という大田黒元雄氏の遺志により、遺族が杉並区に屋敷跡地の寄付をされたとか。

公園化に際し、区はできる限り元の形を保存し前からあった池の再現を図ったそうです。

園内には樹齢100年を超えるイチョウ並木を始め、ケヤキ、アカマツ、シイノキなどの巨木が空高く茂っています。

また、数寄屋造りの茶室、農家の土間を想起させる休憩室のほかに、氏のレンガ色の仕事場も記念館として保存されています。

記念館は、1933年(昭和8)に建築されたもので当時としては珍しい西洋風のモダンな建物。 室内には生前氏が愛用されていたスタインウェイ社製のピアノや蓄音機などが残されています。

ところで、元大田黒邸の主、大田黒元雄氏のプロフィールも簡単にご紹介しておきましょう。1893年(明治26年)1月11日、 東京府(現在の東京都にて、大田黒重五郎の長男として裕福な家庭に生まれました。

父重五郎は、日本の水力発電の先駆者で、芝浦製作所(現東芝)の経営を再建し、財をなした人物です。

病弱な母の転地療養先で育てられた元雄は、旧制・神奈川県立第二中学校(現神奈川県立小田原高等学校)卒業後、 旧制高等学校には進まず、東京音楽学校の教師ペッツォルトにピアノを師事。1912年(明治45年)に渡英し、 ロンドン大学で約2年間にわたって経済学を修めながら、音楽会や劇場に通うなど本場の芸術に熱心に親しんだとか。

父重五郎の築き上げた裕福な環境で生涯を過ごし、黎明期の写真史に『写真芸術』同人として、 福原有信や福原路草、石田喜一郎らと重要な活動を遺し、また生涯にわたって自由な立場から 音楽のみならず様々なジャンルで執筆を続けました。

若い頃の渡欧で、実際に作曲家の演奏を聴いたり、楽譜や資料を蒐集、欧州の演奏会の情報や芸術の動向に関する最新の情報を 日本に紹介しました。

正式な音楽教育は受けず、教職などには一切就くことなく芸術的な自由人としての生活を貫いたとか。

第二次世界大戦後は、NHKのラジオ番組『話の泉』(放送期間 1946年12月3日 - 1964年3月31日)の レギュラー出演者となり、ダンディな語り口で茶の間の人気を博したということです。

86歳で逝去されるまで47年余りにわたって音楽活動を続け、晩年を過ごされたお気に入りの荻窪の地を大田黒公園として 後世に残されたのかもしれません。

大田黒元雄氏の生涯を知れば、大田黒公園の景観デザインのセンスの良さが伝わってくるかもしれません。

では、早速大田黒公園を訪ねてみましょう。アクセスはJR・東京メトロ丸の内線荻窪駅南口下車徒歩約10分と 便利です。

荻窪駅南口を出て、閑静な住宅街を約10分ほど歩くと正門に到着します。

総檜造の門、切妻造、桟瓦の屋根、左右の築地塀で構成された端正な佇まいの正門です。

続く銀杏並木には圧倒されます。 樹齢100年以上という27本の大銀杏が綺麗に色づいて両脇を飾り、中央には御影石の園路がが70メートル程真っ直ぐに延びています。

銀杏並木の先には数寄屋門があり、そこを抜けると東屋まで流れに沿って赤や黄色に色づいた紅葉が見事に園路を飾っています。 特にモミジは60本以上植栽されているとのことで、京都にひけをとらない見事な景観を形作っています。

東屋からは池に映る紅葉、そして対岸の芝生広場が遠望できます。

さらに進むと、緩やかな上り坂の先に建つ記念館やお茶室が現れます。

オレンジ色の外壁が印象的な記念館は、創建当時には珍しい洋館で記念館1階の書斎記念館1階の書斎はなかなか凝ったデザインです。

室内にはスタインウェイ社製のピアノや蓄音機が置かれ。窓ガラスのデザインにも壁にもこだわりが感じられます。

居心地の良さそうな書斎からは数々の書籍が生まれたことでしょう。

隣接する茶室には8帖の和室があり、区民にも貸し出されているそうです。

そして茶室の中庭にある井筒から送りだされる細い流れが茶室をめぐり、次第に広がって池に注がれているとか。 高低差を利用して自然の流れとして庭に取り入れられているとは見事です。

素朴な風情の休憩所でほっと一息ついて今度は流れに沿って、園路を下っていきましょう。 渓流のような風情を楽しむことができるでしょう。

さまざまな工夫のこらされた回遊式日本庭園、大田黒公園はまさに絵になる美しさです。 どこをとってもベストショットになることでしょう。是非写真におさめてることをおすすめします。

さて、昼間の大田黒公園も素敵ですが、ライトアップも素敵です。

午後5時からチケット販売が始まりすぐにライトアップされた庭園を巡ります。

特に見所は池の周辺です。まさに幻想的な光景を体験できます。

お近くの方は是非ご参加ください。おすすめです。



【ライトアップ開催概要】
・開催期間
令和4年11月25日(金曜日)から令和4年12月4日(日曜日)まで
・開催時間
【開園時間】
 期間中の通常開園時間 午前9時〜午後4時30分(最終入園 午後4時)
【ライトアップ時間】
 平日:午後5時〜8時(最終入園 午後7時45分)
 金曜日・土曜日・日曜日:午後5時〜9時(最終入園 午後8時30分)
対象
未就学児、小学生、中学生、高校生、一般、高齢者
開催場所
大田黒公園
杉並区荻窪3丁目33番12号 電話03-3398-5814
大田黒公園












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杉並区立大田黒公園
エントランス・いちょう並木


杉並区大田黒公園
数寄屋門  


杉並区大田黒公園
流れと紅葉


杉並区立大田黒公園
東屋と池


杉並区大田黒公園
記念館



杉並区大田黒公園
茶室


杉並区立大田黒公園
茶室 井筒


杉並区大田黒公園
茶室前から池と東屋を臨む


杉並区大田黒公園ライトアップ


杉並区大田黒公園ライトアップ



施設情報

大田黒公園

住所:東京都杉並区荻窪3丁目33番12号1


TEL: Tel.03-3398-5814
開園日:1月2日〜12月28日

開園時間:9時〜17時(入園は16時30分迄)
夜間ライトアップ期間(11/末〜12/初)は
午前9時から午後8時(入園は7時45分まで)

施設:茶室 記念館(9時〜16時公開)


詳しくは直接お問い合わせいただくか
杉並区立大田黒公園をご覧ください。

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