アート&カルチャー


第149回 韮崎大村美術館
  Nirasaki Omura Art Museum
(山梨県韮崎市)



8月が始まりました。

今年は7月中旬から連日の猛暑!盛夏はとっくに始まり、すでに夏バテ 気味の方が多いかもしれませんね。

それでもせっかくの夏休み、気分を変えにお出かけしたいもの。 そこで、ご提案!山梨県韮崎市の高台に建つ「韮崎大村美術館」はいかがでしょう。

韮崎市といえば、今年5月、八ヶ岳を中心とした中部高地の縄文文化で「日本遺産(Japan Heritage)」の認定を受けた旬のエリア。

「韮崎大村美術館」は、2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞された、 韮崎市出身の大村智博士が長年に渡って蒐集されてきたコレクションをもとに、2007年に開館した美術館です。

大村博士は、「優れた美術品は個人で楽しむものでなく、人類全ての共有財産である」との思いから美術館を建設され、 翌2008年、故郷のさらなる芸術・文化振興のために活用されることを目的として韮崎市に寄贈されたそうです。

そのコレクションは、日本近代以降に活躍した女性作家による作品、日本近代の洋画家・鈴木信太郎作品、 日本の民藝運動を伝える陶磁器作品を軸に構成されています。

そして、それらのコレクションをもとに、企画展、常設展、また各種イベントを開催しています。

現在開催されている企画展が、「いきものたちの世界」展。(2018年9月2日[日]まで)

取材してきましたので、早速ご紹介しましょう。

「韮崎大村美術館」へ東京から車でアクセスするルートは、中央自動車道「韮崎」ICから10分が便利です。(約4q、「武田乃郷 白山温泉」に隣接、 JR中央本線「韮崎」駅からタクシー10分または上円井上行きバス(約12分)「韮崎大村美術館前」バス停下車徒歩2分も可能。)

パーキングに車を止め、エントランスに進むと正面に大村智博士の胸像が設置されているのが印象的!

受付でチケットを購入し早速展示室に進みましょう。

展示室入口手前のホールでは、津田裕子作《青の季節》のブロンズ像が出迎えてくれます。

企画展示室では、「いきものたちの世界」展が開催されています。

時代や国を問わず多くの画家たちに描かれてきた「いきもの」。 その表現された世界は多彩!

「いきもの」という対象を通して画家たちはさまざまな表現でメッセージを伝えています。 今回の展覧会では、収蔵品の中から、描かれたいきものたちの世界が紹介されています。

展示は、森田元子《猫》、冬青小林勇《蟹》、深沢紅子《犬と少年》と続いた後、 ひときわカラフルで華やかな作品に目が引き付けられます。

北久美子の”夢想の楽園”シリーズの《風の譜》と《まどろむ》です。

澄み渡る青空のもと、草花や鳥が鮮やかな色彩で描かれたインパクトのある作品!

続いて岡田節子の《乳を飲む子牛》。素朴なタッチで牛の親子を描いた作者の優しいまなざしを 感じる作品です。そして、同じ作家が16年後に描いた《貝》。色々比較してみると良いかもしれません。

さらに進むと佐野芳香《月の出》と題するフクロウがモチーフになっている作品や 《鳩と少女》と題する荻太郎の作品も独特の雰囲気があります。

《風(ミノムシ)》と題するメゾチントで描かれた丹阿弥丹波子の作品も異彩を放っています。 漆黒の闇の中にかすかにゆれるミノムシを描いた銅版画です。

企画展でいきものたちをモチーフにしたさまざまな表現世界を楽しんだら、 奥の常設展示室に進みましょう。

このコーナーでは、日本を代表する女性美術作家たちの個性豊かな作品を観ることができます。

堀文子、入江一子、佐野ぬい、草間彌生、三岸節子、篠田桃紅、秋野不矩、片岡球子、小倉遊亀など日本の 近代から現代までの女性美術作家たちの作品が紹介されていて見応えがあります。

さて、たっぷり1Fの展示を楽しんだら2Fの 鈴木信太郎記念室に進みましょう。

鮮やかな色彩で、風景をはじめ、人形や花や果物など親しみやすいモチーフを描き 続けた昭和を代表する洋画家・鈴木信太郎(明治28年〜平成元年)の作品群です。

色彩の豊かさから「色彩家(コロリスト)」、そして画風の親しみやすさから 「親密家(アンティミスト)」とも評されている鈴木の作品は、洋菓子店の包装紙などで皆様にも お馴染みかもしれませんね。

2F展望室には、人間国宝の島岡達三をはじめバーナード・リーチ、濱田庄司など 民藝の作品たちが展示されています。

また、三方向に開かれた窓からは、晴れていれば、富士山をはじめ、八ヶ岳や茅ヶ岳、奥秩父連峰など素晴らしい眺望を 楽しむことができます。

飲み物の自動販売機がありますので、鑑賞の合間に雄大な景色を眺めながらホット一息つくこともできます。

さて、最後に、1階受付の右手奥に「大村智記念室」が設置されています。2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞された 韮崎大村美術館の創設者で館長の大村博士の少年時代をめぐる品々や研究関係の資料、そして趣味で蒐集された美術品の 数々が展示されています。

偉大な研究の背後にある大村博士の人となりが紹介されている興味深い展示ですのでご覧になることをお忘れなく。

また、受付に隣接するミュージアムショップでは展覧会関連書籍やポストカードなどが取り揃えられていますので、 覗いてみるのもいいかもしれません。

8月の一日、山梨観光がてら「韮崎大村美術館」にいらしてみませんか?

企画展「いきものたちの世界」や常設展で、日本の女性美術作家たちの多彩な 美術表現を楽しみ、素敵な時間を過ごすことができるでしょう。

女性ならではの感性から生まれた表現に共感し、癒されたり、パワーをもらったりできるかも。

四季折々お立ち寄りになるのもおすすめです。





【赤ちゃん連れのお母様へ】
・韮崎大村美術館はベビーカーで入館できます。
・エレベーターが設置されていますので安心です。





このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまお気に入りの ミュージアム情報を募集しています。 お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せください。 お待ちしております。




韮崎大村美術館

韮崎大村美術館

企画展「いきものたちの世界」

1F 企画展「いきものたちの世界」
展示室風景

1F 常設展示室風景

2F 鈴木信太郎記念室
展示室風景

2F 展望室

1F 大村智記念室

1F ミュージアムショップ



 



施設情報

韮崎大村美術館

住所:山梨県韮崎市神山町鍋山1830-1

TEL:0551-23-7775

開館時間:
4月〜10月  10:00〜18:00
11月〜3月  10:00〜17:00
(入館は、いずれも閉館の30分前まで)

休館日:
水曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
展示替え期間(詳しくはスケジュールをご覧ください)
年末年始(12月29日〜1月3日)

入館料:一般・大学生/500円、小・中・高生/200円
*障害者手帳をご持参の方はご本人と介護の方が1名無料
*韮崎市内に在住・在学の小中高生は無料

詳しくは、直接お問い合わせいただくか、
韮崎大村美術館をご覧ください。

*取材協力・掲載許諾:
韮崎大村美術館

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