新型コロナ感染症対策で緊急事態宣言が2021年3月7日まで延び、
引き続き自粛の日々が続いています。
ワクチン接種が一部で始まりましたが収束への道はまだスタートしたばかり。
そこで3月も2月のルーヴル美術館に続き、海外の美術館のご紹介を続けることにしました。
今回はパリの中心、左岸に位置するオルセー美術館です。
セーヌ河を挟んでルーブル美術館とチュイルリー公園に対する好ロケーション。
こちらも現在Covid‐19(新型コロナ感染症)対策で新たな通達があるまで臨時休館中です。
フランスの新型コロナ対策は徹底していますね。
さて、オルセー美術館の来歴もまた特色があります。
ちょっと見は分かりませんが、もともとは、1900年のパリ万国博覧会開催に合わせて、オルレアン鉄道によって建設されたオルセー駅の
鉄道駅舎兼ホテルだった建物をリノヴェーションして設立された美術館。
駅舎兼ホテルの設計者はエコール・デ・ボザールで学び、1878年、ローマ大賞を受賞した建築家、ヴィクトール・ラルー(1850年 - 1937年)です。
伝統的な駅を「より快適、そしてより高級」な場所として提供する事を可能にする建築がラルーのミッションだったそう。
1900年7月には、2年の歳月をかけて、370の客室とサロンを備えた鉄道駅舎兼ホテルが完成しました。
万国博覧会のために造られたプティパレやグランパレと同時代の華麗な建築様式でした。
電動客車の利用で蒸気や煙の排出が無かったためホームを覆うガラス屋根や自由な内装などを施すことが可能だったとか。
オルセーは電力使用のために設計された最初の駅だったのです。
オルセー駅の利用者達は、荷物用リフト、エレベーターなど最新テクノロジーの恩恵に預かる事もできました。
内部の装飾や細部にいたるまで建築家の構想によるものでしたが、1939年には大規模な鉄道線による交通が最終的に打ち切られたので、
ラルーの魅力的駅舎ホテルは長続きせず、その後はさまざまな催事や活動に利用されるに留まったのです。
ところが、1973年以降フランス美術館局の意向でジョルジュ・ポンピドー政権の下、オルセー駅の美術館への大改築が始まりました。
1979年にはA.C.T.建築事務所の3人の若い建築家、ピエール・コルボ、ルノー・バードン、 ジャン=ポール・フィリポンがその任に
付き、1980年にはイタリアの建築家ガエ・オランティーが内装など館内設営の設計に加わります。
そしてラルーの設計した建物の姿を彷彿させるようなデザインが踏襲されたようです。
1986年12月1日に大統領フランソワ・ミッテランによってオルセー美術館が開館されるまで工事には数年の歳月を要しました。
美術館の展示スペースは3つの主要な階に展開され、作品はテーマや手法によって大きく分類されています
展示作品は、1848年から1914年のフランスおよびヨーロッパやアメリカの美術作品。
ミレー、クールベ、カルポー、マネ、モネ、モリゾ、ルノワール、ドガ、セザンヌ、ロダン、ゴーギャン、ヴァン・ゴッホ、
ガレ、ギマール、ルドン、モロー、ヴュイヤール、ボナール、マイヨールなど19世紀後半から20世紀初頭の最も偉大な芸術家たちの作品が
紹介されています。
そのコレクションは、印象派の代表的絵画作品だけでなく、彫刻や装飾美術、写真、建設図面など 様々な作品から構成されています。
なんといっても圧巻なのが印象派の作家たちのコーナーです。
モネの《サン・ラザール駅》、《ル‐アンの大聖堂の連作》、ルノアールの《田舎のダンス》、《都会のダンス》
セザンヌの《トランプをする人々》、《林檎とオレンジ》などなどどれも教科書級!見逃せない作品ばかりです。
一通り見学コースを巡ったら、ご自身の趣向で明るく広大な空間を活かした展示会場でお気に入りの作品たちと
対面するのがおすすめです。
駅ならでは、大時計の先にはモンマルトルの丘に建つサクレクール寺院を臨むこともできるでしょう。
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オルセー美術館
オルセー美術館・ファサード
オルセー美術・館内観
オルセー美術館・内観
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オルセー美術館・ 展示風景
オルセー美術館
Musee d'Orsay
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