アート&カルチャー


第154回 調布市武者小路実篤記念館
MUSHAKOJI SANEATSU MEMORIAL MUSEUM
(東京都調布市)



平成最後の年が明けました。

皆様お揃いで、お健やかにお迎えのことと思います。

昨年は、猛暑に台風など自然災害の多い年でしたね。めったに台風被害のない京都も例外ではなく 台風21号の爪跡は、紅葉時期にも残っていましたから京都の方々のショックも大きかったようです。

今年は、「災」転じて、「福」となすになるといいですね!

そこで、今回は、アート&カルチャーの年頭をかざり、調布市武者小路実篤記念館(以下実篤記念館)と実篤公園(旧実篤邸)をご紹介しましょう。

すがすがしい新年に触れたいポジティブで心あたたまる言葉や書画で親しまれている武者小路実篤(むしゃこうじ さねあつ/1885-1976年)が、 晩年の20年間を過ごした東京都調布市の水と緑の豊かな地に建つミュージアムです。

実篤の亡くなった後、調布市に寄贈された数々の愛蔵品、遺品、邸宅などを保存・公開しています。

昭和60(1985)年に開館した実篤記念館では、実篤の原稿や手紙、画や書、著作をはじめ、愛蔵の美術品や交友のあった 人々の作品や資料などを収蔵し、実篤の多彩な活動を紹介するため様々なテーマで展覧会を開催しています。

現在開催されている企画展が「実篤の足跡〜旅と転居の記録から〜」(2019年1月27日[日]まで)。

実篤記念館HPには、「実篤の日記や書簡には、旅先での感動を綴ったものや、転居を知らせるものが多く残っています。実篤は友人との観光や「新しき村」の土地探し、 作品執筆、疎開、講演など、様々な目的で全国を訪れました。また何度も引越をし、そこでの思い出を記録しています。 各地での出会いや経験が実篤にとってどのような意味を持つものであったのか、日記や書簡に残る記録と滞在先で書かれた作品から探」る展覧会とあります。

取材してきましたので、早速ご紹介しましょう。

実篤記念館へのアクセスは、京王線つつじヶ丘駅から徒歩10分が便利です。

駅南口を出ると駐輪場があり、案内板がありますので、表示に従って線路に沿った道を仙川方面に直進、 つきあたりを右折、さらに案内板に従って閑静な住宅街を進むと右手に独特の書体で「武者小路実篤記念館」と 表示された建物が現れます。

受付でチケットを購入し、エントランスに進みましょう。エントランスホールの壁に装飾された「日日是好日」が出迎えてくれます。

ホールの先の扉を開けると展示室が広がり、企画展「実篤の足跡〜旅と転居の記録から〜」が開催されています。(2019年1月27日[日]まで)

展示は、「道」、「愛」、「美」、「眞」、「和」のコーナーから構成されています。

「道」のコーナーでは、まず実篤の生家について写真パネルなどで紹介しています。次の三浦半島への旅では、トルストイを知るきっかけとなった 叔父が暮らし、幼い頃から遊びにいっていた三浦半島・金田で過ごした日々が紹介され、学習院時代に撮った叔父や兄らとの写真が展示されています。

さらに友人との旅では、生涯にわたる友、志賀直哉との徒歩旅行の写真や志賀直哉あての葉書が展示され、 体験の中で友情を深めていった様子が見て取れるでしょう。

また、友人の有島武郎や、初恋の人を訪ねた北海道への二度にわたる旅は、実篤にとって、文学の道へ進むことへの不安や葛藤をかかえる旅でした。

「愛」のコーナーでは、新婚時代の転居、安孫子への転居、「新しき村」関連の資料などが展示されています。

さらに「美」のコーナーでは、旅先で描いた「風景」や「サボテン」、「野菜図」など特徴ある画風の作品たちを観ることができます。

そして、子どもたちとの海水浴を楽しみ、創作のための定宿のあった伊豆への旅、たび重なる転居に関する写真や 資料も展示されています。

さらに「眞」のコーナーでは、昭和11年に当時ドイツ大使であった兄・公共の勧めで、欧米へ生涯ただ一度の旅をした記録が興味深いです。 若い頃より愛好した西洋美術のオリジナルを観て感動したり、ピカソやマティスのアトリエを訪ねたようです。

この旅行で出合った人や体験を通して、世界の広さや違いを実感し、日本や家族、友人がいかに大切かをあらためて感じたことは、 家族や友人にあてた葉書などから伝わってきます。

実篤は麹町元園町の生家から、晩年を過ごした仙川の家に到るまでには、仮住まいも含め20回以上も転居を繰り返しました。 そして、終の住処となったのが、仙川の家でした。

最後の「和」のコーナーでは、昭和31年12月、実篤70歳のとき、水のあるところに住みたいという子供の頃からの夢をかなえ、 調布市入間町(現・若葉町)へ移り住んでからの実篤の様子が写真パネルで紹介されています。また、庭の植物を描いた作品も観ることができます。

企画展「実篤の足跡〜旅と転居の記録から〜」を楽しんだら、休憩コーナーで、旧実篤邸と、この地での実篤の生活を紹介するビデオ 「武者小路実篤終の住み処」をみるのもいいかもしれません。

閲覧室では、実篤の本を読んだり、実篤が好きだった画家の画集を観たりできます。 友人の志賀直哉や岸田劉生らの本、雑誌『白樺』(復刻版)や日本近代文学の本、資料がありますので調べものをすることも可能です。

さて、実篤記念館をたっぷり楽しんだら、隣接する実篤公園(入場無料)に向かいましょう。

公園には、実篤の邸宅と約5000u(1500坪)の庭園が広がり、園内には、ウメ、コブシ、サクラ、フジ、アジサイ、ツバキなどの花木、 ショウブや武蔵野の野草が花咲き、秋には紅葉が楽しめます。

上の池には水源となる湧水があり、下の池には鯉が泳ぎ、また、野鳥も数多くやってくるそうです。

実篤記念館から庭園を通り、旧実篤邸まで行ってみましょう。

記念館入口左手の地下通路を抜けると下の池にでます。様々な木々に囲まれた池の周りの小道を進み再度地下通路を通ると上の池と旧実篤邸に向かえます。

実篤は、水のあるところに住みたいという子供の頃からの願いどおり、70歳の時に仙川の地に居をかまえ、 90歳で亡くなるまでの20年間を過ごしました。

この家の最寄り駅が仙川だったことから、「仙川の家」と呼んだそうです。

ここでは、集まる野鳥に餌場を作り、池には鯉を飼い、安子夫人と二人の静かな生活を過ごしました。 自伝小説「一人の男」や、野菜や花を描いた絵の多くがここで創作されたとか。

旧実篤邸の内部は、毎週土曜日・日曜日、祝日の11:00〜15:00に公開(雨天中止)されていますので、 日にちをあわせてお出かけになるのもいいかもしれません。 (平日はバルコニーからガラス戸越しに邸内を観ることができます)

実篤記念館エントランス脇のミュージアムショップには、実篤の書画をもとにデザインした、 さまざなミュージアムグッズが取り揃えられていますので、お立ち寄りになってはいかがでしょう。

新年の一日、企画展「実篤の足跡〜旅と転居の記録から〜」開催中の実篤記念館にいらしてみませんか?

武者小路実篤の人と作品そして武蔵野の自然に触れ、気分も新たに一年をはじめられることでしょう。 冬休みのお出かけスポットとしてもおすすめです。

実篤公園の自然を楽しみがてら四季折々お出かけになるのもおすすめです。







【赤ちゃん連れのお母様へ】
・実篤記念館はベビーカーで入館できます。
・おむつ替えはバリアフリートイレにおむつ替えシートがあります。
・ミュージアムの駐車場があります。(台数5台)
・実篤公園は段差が多いので、だっこひものご用意をおすすめします。 ベビーカーは、記念館でお預かりいただけるそうです。





このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまお気 に入りの ミュージアム情報を募集しています。 お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せください。 お待ちしております。




調布市武者小路実篤記念館


企画展「実篤の足跡〜旅と転居の記録から〜」ポスター


エントランスホール


展示室会場風景
(開催中の企画展とは異なります)
調布市武者小路実篤記念館提供

展示室会場風景
(開催中の企画展とは異なります)
調布市武者小路実篤記念館提供

休憩コーナー
調布市武者小路実篤記念館提供

閲覧室
調布市武者小路実篤記念館提供

実篤公園

実篤公園

旧実篤邸

旧実篤邸



 



施設情報

調布市武者小路実篤記念館

住所:東京都調布市若葉町1−8−30

TEL:03−3326−0648  

開館・開園時間:午前9時から午後5時
(閲覧室の開室時間は午前10時〜午後4時
休室日は、毎週木曜日と毎月最終水曜日)

休館日:月曜日(祝日のときは直後の平日)
年末年始(12月29日から1月3日)
※展示室・閲覧室には、休館日のほかに
休室日があります。詳しくは実篤記念館HPの
「今月のスケジュール」をご覧ください。

入場料:大人 200円/小・中学生 100円
※調布市在学、在住の小・中学生は、毎週土曜日に無料パスが利用できます
※調布市内在住の65歳以上の方は無料
※身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・愛の手帳をお持ちの方と付添人は無料
※「ぐるっとパス」が利用できます

詳しくは、直接お問い合わせいただくか、
調布市武者小路実篤記念館をご覧ください。

*取材協力・掲載許諾:
調布市武者小路実篤記念館
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