アート&カルチャー


第170回 神代植物公園―ばら園・大温室・植物多様性センター
Jindai Botanical Gardens
(東京都調布市)



春爛漫を楽しむチャンスもなく4月は新型コロナ感染症問題で瞬く間に過ぎてゆきました。

新型コロナウイルス感染症は、日に日に拡大し、ついに国による「緊急事態宣言」による外出自粛要請にまで至っています。(2020年5月6日まで)

4月にこのコーナーで神代植物公園をさくら園にフォーカスしてご紹介しましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止にともなう臨時休園が継続し、結局 桜花の饗宴は観客不在のまま繰り広げられ、次のステージへと移ってしまいました。

そこで今回は、神代植物公園のご紹介第2弾として神代植物公園最大の見どころ、「ばら園」と「大温室」さらに 「植物多様性センター」をご紹介しましょう。

年2回春と秋にバラフェスタの開催されるバラ園は、前回のさくら園とは反対方向、正門から右手に位置しています。正門入り口を抜けまっすぐ進み、 ぼたん・しゃくやく園をすぎると大温室に到着します。

カリオンが印象的な大温室前広場からは、中央に噴水を配し、シンメトリックに設計された沈床式庭園に咲き誇るばら園の全貌を 眺めることができます。

ばら園は「本園」、「野生種・オールドローズ園」、「国際ばらコンクール花壇」の3つのエリアから構成されています。

「本園」には、約400品種5200余株もの膨大な数のバラが植栽されています。花期は年2回で春は5月下旬頃が盛り、秋は10月中旬からとか。

「野生種・オールドローズ園」では、現代バラ作出の基となった野生種、オールドローズを中心に鑑賞することができます。

ここに植栽されているバラは、都立園芸高校のバラ園のバラをもとにしたそうで、バラ育成家として有名な鈴木省三 (1913年5月23日 - 2000年1月20日)がバラの育種・改良のために世界各地から収集された貴重なコレクションによるのだとか。

鈴木省三は生涯に130を超える品種のバラを作出、海外のバラ育種家の中で「ミスターローズ」と呼ばれた日本人です。

「国際ばらコンクール花壇」では、国際ばら新品種コンクール(JRC)のための試作場として、世界各国から出品されるバラの試作、 審査を行っています。

このコンクールではバラの形態毎に4部門に分けて審査が行われ、優秀なバラに対して金、銀、銅賞が、 入賞花の中から芳香賞が授与され、受賞したバラは、ばら園本園の大温室側コーナーに植栽されています。

温室前の広場には、神代植物公園のばら園が平成21年第15回世界バラ会議バンクーバー大会で「世界バラ会連合優秀庭園賞 (WFRS Award of Garden Excellence)」受賞プレートも展示されています。

また、深紅のバラ「クィーン・オブ・神代」に関するパネル展示もあります。 平成23年神代植物公園開設50周年記念事業の一環として神代植物公園にちなみ命名したバラで、 平成21年度の国際ばら新品種コンクール(JRC)の金賞受賞花のなかで命名されていなかったバラを 作出者の了解を得た上で、公募により名前をつけたのだそう。ぴったりな命名ですね。

広大なばら園では、プリンセスや偉人の名を冠したバラをはじめ、色も形も香りも様々なバラを楽しむことができます。

バラの名前に注目して巡るのも楽しいかもしれません。

さて、ばら園を堪能、今度は大温室で熱帯の植物を楽しみましょう。

左手入り口から入ると、池のある「熱帯花木園」が広がっています。熱帯・亜熱帯原産の花木、スイレンなどが展示されています。 メディニラ '火の鳥'というフィリピン原産の珍しい花も観られるかもしれません。

中央の展示休憩室にでるとラン室、ベゴニア室を眺めながらほっと一息できるスペースもあります。

ラン室では、洋ランを中心として約600品種のコレクションのなかから開花した鉢が展示されています。

ベゴニア室は華やかです。大輪のバラのような花を咲かせる球根ベゴニアの園芸品種を中心にその原種や特色のあるレックスベゴニア、 木立ベゴニア、香りの良い珍しいベゴニアなどを鑑賞できます。

次の熱帯スイレン室では、大きな池に咲く可憐な熱帯スイレンの花々を近い距離から観ることができます。パイナップル科の植物やハイビスカスなども 展示されています。

次の小笠原植物室のコーナーでは、平静23年に世界自然遺産として登録された小笠原諸島の珍しい植物を展示しています。

絶海の孤島で独自の進化をとげてきたム二ンノボタンなどの希少種や固有種も見ることができます。

最後のコーナーは乾燥地植物室です。

サボテン科の植物、多肉植物などが展示。東京都と技術協定を結んだチリ国立植物園から寄贈されたチリ原産の植物のコーナーもあります。

さて、大温室をひとまわりしてカリヨンの設置されている広場に出ると、運がよければカリヨンの演奏に出会えるかもしれません

さて、今度は、神代植物公園のもう一つの植物園、「植物多様性センター」に向かいましょう。

アクセスは、神代植物公園正門を一旦出て、第一駐車場前の通りを右手に少し進むと左手にセンターの西門入り口があります。

さて、植物多様性センターは、東京の植物多様性保全の中心的役割を果たす施設として平成24年4月に開園しました。

貴重な植物を次世代へ継承するため、「絶滅危惧植物の保護・増殖」、「絶滅危惧植物の情報収集・発信」、「植物多様性に関する教育・普及」 など様々な活動を行っています。

施設は、情報館と学習園から構成されています。

西門から奥に進むと情報館があり、展示室では、パネルやハンズオンなどで、 楽しみながら東京の植物や植物多様性について理解を深められる展示があります。 展示は、月毎に季節や話題性のある内容に更新しています。

また、週変わりで植物や自然に関する映像を鑑賞したり、植物に関連する図書や絵本、都内で活躍する植物の保全団体の活動記録などを 閲覧することができます。

情報館入口のフィールドニュースボード(学習園の植物の見ごろ情報)を見てから園内を散策するのがおすすめです。

さて情報館でガイドマップを入手して、学習園を巡ってみましょう。学習園は、「伊豆諸島ゾーン」、「奥多摩ゾーン」、「武蔵野ゾーン」 の3つのゾーンからなっています。

「伊豆諸島ゾーン」では、東京の南海にある伊豆諸島の環境を海岸砂地エリア、海岸岩地エリア、火山性草地エリア で再現し、ハマヒルガオ、シチトウスミレ、サクユリ等の植物を展示しています。

「奥多摩ゾーン」では、東京の西部にある山地を落葉広葉樹林エリア、湿生林エリア、石灰岩地エリアとして再現し、、 それぞれの環境に生育するレンゲショウマ、シモバシラ、ノハナショウブ、ヤマシャクヤクなどの植物を展示しています。

「武蔵野ゾーン」では、私たちの身近な東京の多摩地域や台地、多摩川流域を礫地エリア、雑木林エリア、路傍エリア、果樹林エリアとして 再現し、ギンラン、フクジュソウ、ムサシノキスゲ、カワラナデシコなどの日常みかけているかもしれない植物を展示しています。

植物多様性センターでは東京の植物多様性とその保全の大切さについてさまざまな展示で学ぶことができるでしょう。

さて、新型コロナウイルス感染症による感染拡大防止による臨時休園が5月6日からさらに延長されるかもしれませんが、 開園の際には、手洗い、マスク、うがい、ソーシャルディスタンスなど感染予防をこころがけ、バラをはじめ丹精こめて育まれた 季節の花や草木を楽しみたいものです。

また、臨時休園が延長されたり遠方のかたも神代植物公園公式ツイッターで、随時情報が配信されていますので、 ご覧になるのもおススメです。



*神代植物公園から臨時休園のお知らせ*
新型コロナウイルス感染症の拡大防止による、緊急事態措置の延長(5月31日迄の予定)に伴い、臨時休園を延長。
臨時休園:本園・植物多様性センター・水生植物園
*ドックランは使用禁止となります。



【赤ちゃん連れのお母様へ】
・授乳室、おむつ交換台が園内情報棟にあります。
・おむつ交換台は、複数のトイレに設置されていますので、 神代植物公園案内図をご覧ください。





このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまお気に入りの ミュージアム情報を募集しています。 お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せください。 お待ちしております。




神代植物公園

神代植物公園「春のバラフェスタ」
2020年5月7日(木)〜6月7日(日)
(公益財団法人東京都公園協会提供)

ばら園

ばら園

大温室
熱帯花木室

ラン室

ベゴニア室

ベゴニア室

熱帯スイレン室

植物多様性センタ‐
情報館

植物多様性センター
学習園





施設情報

東京都立 神代植物公園

住所:東京都調布市深大寺元町二・五丁目、 深大寺北町一・二丁目、深大寺南町四・五丁目

TEL:042-483-2300

開園時間:
午前9時30分〜午後5時
※本園の最終入園は午後4時まで
※水生植物園の閉門時間は午後4時30分

休園日:
毎週月曜日(月曜日が国民の祝日や振替休日
都民の日の場合はその翌日が休園日)
年末年始(12月29〜翌年1月1日)

入園料:
一般・大人・500円(団体:400円)
65歳以上・250円(団体:200円)
中学生・200円(160円) 
※都内在住・在学の中学生は無料
小学生以下無料

※団体割引は、チケット購入者が20名以上
※身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳
または療育手帳持参の方と付添の方は無料
※無料公開日 みどりの日(5月4日)、都民の日(10月1日)

詳しくは、直接お問い合わせいただくか、
神代植物公園をご覧ください。

*取材協力・掲載許諾:
神代植物公園
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