アート&カルチャー


第142回 新宿歴史博物館
 Shinjuku Historical Museum
(東京都新宿区)



皆様お元気で新年をお迎えのことと思います。

今年も小さなお子さま連れのご家族をはじめ、皆様の日常を少しでも豊かにするような おすすめのミュージアムをご紹介して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2018年の筆頭を飾るのが、新宿区立新宿歴史博物館です。通勤、通学、ショッピングなどで 皆様にもお馴染みのエリアのミュージアムなのでは?

新宿歴史博物館は、武蔵野の原野から大変貌を遂げた新宿区の歴史と文化に関する資料を 収集保存、調査研究、展示公開する施設として、1989年(平成元年)に設立されました。

新宿歴史博物館
https://www.regasu-shinjuku.or.jp/rekihaku/

常設展示では、新宿区内で発見された縄文土器から平成までの歴史資料が展示され、 企画展示室では新宿区にゆかりの作家たちの所蔵資料展などが随時開催されています。

2018年2月25日(日)まで企画展示室で開催されているのが平成29年度所蔵資料展 「色ガラス芸術のパイオニア 岩田藤七、久利」。  

取材してきましたので、ご紹介しましょう。

アクセスは、JR・東京メトロ丸ノ内線・南北線「四ツ谷駅」下車 出口2より徒歩10分。 (東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅からは出口4より徒歩8分。)

「四ツ谷駅」から新宿方面へ新宿通りを7、8分ほど進むと、右手角に新宿歴史博物館という表示が でてきますので、右折。三栄公園を右にみてさらに進むと、右手に、ステンレスの斬新なフォルムのオブジェが 印象的な建物が現れます。こちらが、新宿歴史博物館です。

エントランスを入り、れきはくギャラリーを進むと、正面に受付があります。展示室は 地下1階となっています。(エレべーター有)

まずは、企画展示室で開催されている所蔵資料展「色ガラス芸術のパイオニア 岩田藤七、久利」を 観ていきましょう。

新宿区弁天町に在住した岩田藤七(1893〜1980)、久利(1925〜1994)親子は、 豊かな色彩と自由な造形のガラス作品を作りあげた日本のガラス芸術のパイオニアです。

今回の展示会では、岩田親子の活動の軌跡をパネルで紹介するとともに、所蔵するガラス作品44点 (藤七27点、久利17点)を公開。また、近年区民より寄贈を受けた岩田工芸ガラスの工房作品20点ほどもあわせて展示し、 日本の近現代ガラス芸術を導いてきた岩田親子の作品世界を概観できる構成になっています。

さて、日本に於ける「ガラス」制作は、板ガラスや瓶などの実用ガラスや、江戸切子をはじめとする切子ガラスを 中心に発展しました。

日本の色ガラス芸術のパイオニア岩田藤七は、はじめ東京美術学校(現東京芸大)金工科、西洋画科で学びましたが、 1927年(昭和2年)から色ガラスによる作品制作をはじめ、色彩豊かで、流麗な作品を生み出す色ガラス作家として、 ガラスを「日本の美術工芸」に導き、また岩田硝子製作所を設立したことで 知られています。

展示は、ブルーに金彩を施した絢爛豪華な《瓶》からはじまり、柔らかな曲線的フォルムが魅力的な《花瓶》、さらに斬新な 水差しなど茶道具へと続きます。

さらに、貝をモチーフにした美しい色彩、オリジナリティ豊かなフォルムの作品も展示され目を引きます。

岩田藤七は、色ガラスの可能性を大きく飛躍させた先駆者、 日本のガラス細工を近代ガラス工芸の域に高めた多大な功績を残したアーティストでした。

また、彼の作品を絶賛した与謝野晶子をはじめとする各界著名人たちとの交流も紹介されていて興味深いです。

一方、東京美術学校(現東京芸大)工芸部図案科を卒業し、父の会社を継いだ藤七の長男 岩田久利は、「色がなければこの世は闇です」といい、デッサンから制作を始めるなど父とは異なった 独自のスタイルで作品を制作。精緻で優美な作風で、日本のガラス芸術の独自性を 世界に発信しました。

父から受け継いだ事業をもとに、当時の最新技術を用いた工場で、高品質の工房作品の量産体制を可能とし、 経営者としても手腕を発揮しました。

また、日本ガラス工芸協会を設立し、、ガラス作家の連携や後進の育成にも力をそそいだとか。

展示作品は、華麗な《金彩花器》や銅器を思わせるマットな味わいの《花器》など、ガラスの不透明色を追及した 個性的な作風を特徴とします。

久利も青年時代に、文学、演劇、デザインなど幅広いジャンルに造詣を深め、多方面の方々と交流しました。 長沢節が描いた岩田ガラスの包装紙のデザイン画などの展示作品がその交流を物語っています。

展示室奥では「炎に賭ける 岩田久利」と題するビデオが上映されていますので、 お時間があればご覧になるのもおすすめです。

また、藤七、久利のスケッチや色ガラス壁面「コロラート」の作品資料なども展示されていますので、 ご興味のある方は、現存するコロラートの実物をご覧にいらしてはいかがでしょう。

さて、たっぷり岩田親子の色ガラスの世界を楽しんだら、常設展示に進みましょう。

展示は「1 大地に刻まれた歴史」、「2 中世の新宿」、「3 江戸のくらしと新宿」、「4 近代文学にみる新宿」、   「5 昭和初期の新宿」、「6 戦中から戦後・平成 新宿のうつりかわり」 という構成で進みます。

「3 江戸のくらしと新宿」では、「内藤新宿の模型」や「江戸時代の商家」の模型などから、宿場・内藤新宿の様子が イメージできるでしょう。  

さらに進むと「東京市電5000型」が展示されているコーナーに出会います。

また、「5 昭和初期の新宿」コーナーでは、現在の住宅に近い「文化住宅」の模型が展示され、 当時のライフスタイルが垣間見られる楽しい仕掛けを体験できます。

上記4か所の模型展示コーナーはフォトスポットとなっていますので、カメラやスマホをお忘れなく!

充実の常設展示を巡ったら、サンクンガーデンに面した地下1階ホワイエでほっと一息つくことができます。 お子さまは小田急ロマンスカーの模型が魅力かも。

1階受付脇のミュージアムショップでは、新宿に関する刊行物や展示会図録、 江戸小紋模様をあしらったトートバッグなどオリジナルグッズが取り揃えられています。

東京の都心、四谷駅からほど近い新宿歴史博物館にいらしてみてはいかがでしょう。

色ガラスのパイオニアのアーティスティックな作品たちに感性を刺激され 素敵な時間を過ごすことできるでしょう。

常設展示も、分かりやすく新宿エリアの歴史が辿れる充実した内容ですので、 併せてご覧になることをおすすめします。

お子さま連れの冬休みお出かけスポットとしてもおすすめです。







【赤ちゃん連れのお母様へ】
・新宿歴史博物館はベビーカーで入館できます。
・オムツ替え専用シートは1階のバリアフリートイレに設置されています。






このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまお気に入りの ミュージアム情報を募集しています。 お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せください。 お待ちしております。




新宿歴史博物館

階段室よりサンクンガーデン・ホワイエ等をのぞむ

新宿歴史博物館 平成29年度 所蔵資料展
「色ガラス芸術のパイオニア 岩田藤七、久利」

岩田藤七 《花器》
昭和48年(1973)
新宿歴史博物館所蔵

岩田藤七 《貝》
昭和49年(1974)
新宿歴史博物館所蔵

岩田久利 《金彩花器》
年代不明
新宿歴史博物館所蔵

岩田久利 《花器》
平成元年(1989)
新宿歴史博物館所蔵

常設展示風景
内藤新宿模型

常設展示風景
東京市電5000型







 



施設情報

新宿区立 新宿歴史博物館 

住所:東京都新宿区三栄町22番地

TEL:03-3359-2131

開館時間:
9:30〜17:30(入館は17:00まで)

休館日:
第2・4月曜日(祝日の場合は翌日)
但し、全館燻蒸作業日(12月)と年末年始(12/29〜1/3)は休館
*2017年12月22日(金)〜2018年1月3日(水)休館。 新年は1月4日(木)から開館。

観覧料:
・常設展示: 一般300円、小・中学生100円
・特別展については、別途定めます。
・所蔵資料展「色ガラス芸術のパイオニア 岩田藤七、久利」
無料

詳しくは、直接お問い合わせいただくか、
新宿歴史博物館 をご覧ください。

*取材協力・掲載許諾:
新宿歴史博物館 

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