アート&カルチャー


第141回 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
ginza graphic gallery
(東京都中央区銀座)



2017年も残すところ一月となりました。

早くも寒波が襲来し、街にはクリスマス、年末ムードが漂い始めています。

そこで、今回は、なにかと気ぜわしい師走のひと時を、明るく元気にしてくれる展覧会 「マリメッコ・スピリッツ ― パーヴォ・ハロネン / マイヤ・ロウエカリ / アイノ=マイヤ・メッツォラ 」を 開催しているギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)をご紹介しましょう。

ギンザ・グラフィック・ギャラリー
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)は、グラフィックデザインと密接なかかわりを持つ大日本印刷株式会社が、 文化活動の一環として、創業の地であり、画廊のメッカでもある銀座に、1986年に設立したギャラリー。 3つのgの頭文字から「スリー・ジー(ggg)」の愛称で親しまれています。

展覧会をはじめ、レクチャーの開催、gggBooks等の出版活動を通し、多くの方々にグラフィックデザインの素晴らしさと 出会う機会を提供することを目的に活動しています。

企画展は、年間8回程度、グラフィックデザインを対象に、内外の作家や団体の招聘や、 所蔵家の協力を得て開催しています。

2018年1月13日(土)まで開催されている第363回企画展が「マリメッコ・スピリッツ ― パーヴォ・ハロネン / マイヤ・ロウエカリ / アイノ=マイヤ・メッツォラ 」。

大胆なデザインと色彩で日本をはじめ世界各国に多くのファンをもつフィンランドの代表的ブランドの一つ、マリメッコの 精神を現在のマリメッコを支えるデザイナーの中からパーヴォ・ハロネン、マイヤ・ロウエカリ、 アイノ=マイヤ・メッツォラの3名の仕事と作品にフォーカスして紹介している展覧会です。

早速取材してきましたので、ご紹介しましょう。

アクセスは、 地下鉄/銀座線、日比谷線、丸ノ内線「銀座」駅から 徒歩5分と大変 便利。(JR「有楽町」、「新橋」駅からも徒歩10分 )

地下鉄「銀座」駅A2出口から中央通りを新橋方面に進み、みゆき通りの次の交詢社通りを右折、すずらん通りとの交差点の左手角にあります。

「marimekko spirit」の旗とエントランスの「ggg」の表示が目印です。

エントランスを入ると早速マイヤ・ロウエカリのカラフルな花たちが出迎えてくれます。

ところで、独創的なプリントと色彩により世界的に知られるデザインハウス、マリメッコは、1951年 に創業された時、慣習にとらわれないそのデザインでフィンランドにおける布製品のプリンティングや 衣服の伝統を一変させるものとなったといわれています。

創造性と機能性を融和させた、ポジティブで力の湧くようなライフスタイルブランドとして、 ファッション、アクセサリー、室内装飾といった分野で独自のデザインを発信しています。

創業者、アルミ・ラティア(1912-1979)は、才能あるデザイナーを発掘する能力にたけており、 1951年の立ち上げ当初からデザイナーが自由に創作意欲を発揮できる環境を整え 時代を超えて愛され続けることとなる代表的なデザインパターンを次々と生みだしていきました。

制作されたパターンひとつひとつに名前をつけ、デザイナー名と制作年をテキスタイルに明記するという 革新的な伝統は、作家の創造性を大切にするという理念とともに、今日まで受け継がれています。

さて、1F展示室では、マリメッコ・スピリッツを踏襲しつつマリメッコのプリントを刷新した といわれる3名のパターンデザイナーが、近年マリメッコのためにデザインした代表作を展示しています。

幼少期をマリメッコの布に囲まれて過ごしたというイラストレーターでデザイナーのマイヤ・ロウエカリ(1982−)の 大胆なパターンと明るい色使いは一目でマリメッコと思わせる力を持っています。

フィンランドの独立100周年を記念して考案したVeljekset柄は、フィンランドの民話からインスピレーションを受け、 森の中に生息している野生動物たちを力強く表現しています。

ロウエカリの制作過程において重要性のある物語性のあるドローイングも展示されています。

さて、アイノ=マイヤ・メッツォラ(1983-)の水彩技法を用いた柔らかで繊細なパターンも魅力的です。

水彩、フェルトペン、グワッシュなど多彩な画材によって移りゆく自然など多彩な表現ができるデザイナー。

現代アーティストでもあるパーヴォ・ハロネン(1974-)。自然からのインスピレーションを 有機的な抽象パターンに転換するデザインが持ち味のデザイナーです。

1Fで三者三様のパターンデザインを堪能したらB1Fで、今回のgggでの展覧会のために制作した「JAPAN」をテーマとした 作品を楽しみましょう。

各コーナーには、作品と作者のメッセージビデオ、さらに作品の制作過程にかかわるデッサンやドローイング、画材、 資料なども展示されています。  

まずは、アイノ=マイヤ・メッツォラの「JAPAN」です。彼女は、テキスタイルをデザインする際 しばしば水彩画を用いますが、この展覧会では、特に透明水彩絵の具による技法に焦点をあてています。

今回の展覧会のために制作された「コケデラ(苔寺)」は、苔むした日本庭園や寺院からヒントを得たといいます。 特に別名苔寺として知られる西芳寺から大きな影響を受けているそうです。苔寺の雰囲気を見事に表現した 魅力的な作品です。

マイヤ・ロウエカリの「JAPAN」はポップでカラフル!「キルシカンクッカサデ(桜の花の雨)」と題する 新作は、にぎやかな東京の街並みをモチーフにしているとか。

ピンクの桜の花びらの雨が降り注ぐ街を、カラフルなファッションに身を包み、人々が行きかう様子を描いた インパクトのあるデザインです。

パーヴォ・ハロネンは、最も得意とする技法のひとつ切り絵の技法によってこの展覧会のために 「アウレオリ(光の輪)」というパターンを制作しました。この作品は、葛飾北斎の描いた河童や丸山応挙の 鶴の絵、宮崎駿の映画などさまざまな日本の芸術や映画にインスパイアされたというエッジのきいた作品です。

来日したことがなかったという3人のデザイナーたちが「JAPAN」というテーマでデザインした作品群はそれぞれ独創的! その創作過程も楽しめるおすすめの展覧会です。お見逃しなく!

たっぷり展覧会を楽しんだら、2Fでレトロな交詢ビルのエントランスを借景とするピクチャーウィンドウを背景にほっと一息ついたり、 展覧会関連ビデオを大画面で観るのもおススメです。

12月の一日、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の 「マリメッコ・スピリッツ ― パーヴォ・ハロネン / マイヤ・ロウエカリ / アイノ=マイヤ・メッツォラ 」展に 立ち寄ってみませんか?(2018年1月13日(土)まで)

3人の若いフィンランドのデザイナーたちの作品と仕事とライフスタイルから様々な刺激を受けることでしょう。また、 彼らの創造の力がフィンランドの世界的デザインハウスの進化し続けるエネルギーの背後にあるということに気付くかもしれません。

同時開催として、GALLERY A4(ギャラリーエークワッド)で、2017年12月15日(金)から2018年2月28日(水)まで、「Marimekko Spirit −Elämäntapa (エラ マンタパ)マリメッコの暮らしぶりー」が開催されます。

GALLERY A4
http://www.a-quad.jp/

展覧会では、日本発の茶室文化とマリメッコのデザインとを向かい合わせる企画もあるとか。こちらの「Marimekko Spirit 」にも いらしてみては?

GALLERY A4(ギャラリーエークワッド)の詳細は以下へ
アート&カルチャー
第101回 ギャラリーエークワッド
http://www.ktai-supli.jp/art/201408.html







【赤ちゃん連れのお母様へ】
・ギンザ・グラフィック・ギャラリーはベビーカーで入館できます。
・オムツ替え専用シートは地下2階バリアフリートイレに設置しています。






このコーナーでは、お子様連れで楽しめる皆さまお気に入りの ミュージアム情報を募集しています。 お問い合わせフォームから、是非お寄せください。
また、このコーナーへのご意見・ご感想もお気軽にお寄せください。 お待ちしております。




ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)

1F会場風景
 中央:マイヤ・ロウエカリ
「Siirtolapuutarha 2009」

1F会場風景
 右:マイヤ・ロウエカリ
「Veljekset 2016」

1F会場風景
右:アイノ=マイヤ・メッツォラ
「Juhannustaika 2007」

1F会場風景
 左:パーヴォ・ハロネン
「Torstai 2016」原画

B1F マリメッコ・コーナー

Aino-Maija Metsola(アイノ=マイヤ・メッツォラ)
「Kokadera(コケデラ)・苔寺」

Maija Louekari(マイヤ・ロウエカリ)
「Kirsikankukkasade (キルシカンクッカサデ)・桜の花の雨」

Paavo Halonen(パーヴォ・ハロネン)
「Aureoli(アウレオリ)・光の輪」

2F 







 



施設情報

ギンザ・グラフィック・ギャラリー(略称:ggg)

住所:東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F/B1F

TEL:03-3571-5206

開館時間:
11:00am-7:00pm 

休館日:
日曜・祝日
12月28日(木)〜1月4日(木)

入場料:
無料

詳しくは、直接お問い合わせいただくか、
ギンザ・グラフィック・ギャラリー をご覧ください。

*取材協力・掲載許諾:
DNP文化振興財団 

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