アート&カルチャー


第182回 マティス礼拝堂(マティスのロザリオ礼拝堂)
CHAPELLE DU ROSAIRE A VENCE
(南仏・ヴァンス ) 



風薫る5月。今年の大型連休も東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に新型コロナウイルス感染防止緊急事態宣言が 発令、またまた自粛期間が続くことになりました。

まだら模様ではありますが、世界中で新型コロナ感染症との闘いが続いています。

ワクチン接種も始まりましたが変異種の出現で収束はさらに遠く、東京オリンピックの開催もイメージできないのは筆者だけではないでしょう。

主要地域の公共施設は閉館、閉園が続きステイホームが最善ではこのコーナーも動きようがありません。

ということで、引き続き南仏のアートスポットをご紹介することにしました。

今月は、20世紀を代表する画家の一人アンリ・マティス( Henri Matisse, 1869年12月31日 - 1954年11月3日)が自身の最高傑作と位置づける 「マティスのロザリオ礼拝堂」。

ニースから北西へ20キロほどの街ヴァンスの丘に静かにたたずむ「マティスの礼拝堂」です。

フォーヴィスム(野獣派)のリーダー的存在だったアンリ・マティス(フランス語: Henri Matisse, 1869年12月31日 - 1954年11月3日)は、

最晩年、南仏ヴァンスのドミニコ会修道院ロザリオ礼拝堂の内装や上祭服のデザインなどを引き受けました。

というのも、第二次世界大戦のさなか重い病に倒れたマティスを献身的に看護した看護婦モニカが戦後の1947年、 マティスのアトリエを修道女となって訪れ、焼け落ちたドミニコ修道会礼拝堂の再建を依頼したのです。

マティスはこの再会に神の啓示を感じ礼拝堂全ての設計を無償で引き受けました。

この礼拝堂はマティス芸術の集大成とされ、切り紙絵をモチーフにしたステンドグラスや、 白タイルに黒の単純かつ大胆な線で描かれた聖母子像など20世紀キリスト教美術の代表作といわれています。

さて、マティスは、フランス北部ノール県ル・カトー=カンプレシの裕福な穀物商の長男として生まれました。

普仏戦争が勃発すると、一家でフランス北部ピカルディ地域圏のボアン=アン=ヴェルマンドワに移転します。マティスは、 そこで育ちました。

1887年に父親の意向で、ル・カトー=カンプレシの弁護士事務所に就職するため、パリに出て法律を学びますが、 1889年、21歳の時に虫垂炎を患って療養している時に母親から絵を描くことをすすめられ絵を描き始めます。

当時をふりかえりマティスは「天国のようなものを発見した」と表現しています。これを機に芸術家になる決心をしますが、 父親は落胆したとか。

1891年にパリに戻ると、マティスはジュリアン・アカデミーに入学。ウィリアム・アドルフ・ブグローやギュスターヴ・モローのもとで 絵画を学ぶことになります。はじめは古典絵画、、おもに静物画や風景画を描いて基礎的な技術をみがいたそう。

このころのマティスは、ジャン・シメオン・シャルダンやニコラ・プッサンやアントワーヌ・ヴァトーなどロココからバロックにかけての 巨匠たちに影響を受けたとか。

ほかにエドゥアール・マネや日本画からも影響を受け、なかでもジャン・シメオン・シャルダンは マティスが最も尊敬している画家の1人で、マティスはシャルダンの模写作品を学生時代によく制作したといわれています。

マティスの南仏との関わりは、1917年から30年ごろにかけて、おもに南フランスのニースを制作の場として活動した時に始まります。 この時期、オダリスクをはじめ、開放的な作品を制作します。通常この頃のマティスの活動は「ニース時代」といわれます。

マティスは長年油彩を描き続けましたが、72歳の時、リヨンで十二指腸癌の大手術を受け、体力が衰えた事をきっかけに切り紙絵を始めます。

手術は成功し奇跡的に回復しますが一日のうち多くをベットで過ごすようになります。体力的に油絵は諦めざるを得ませんでした。

体力がなくなっていったマティスは、油絵から切り紙絵へと制作スタイルをシフト、アシスタントに色紙を作ってもらい、 はさみで切り抜いて作品を作り上げていきます。

作品のモチーフも自然から受ける感覚、感触をダイレクトに表現するようになっていきました。。形を見るというより花や植物から感じる 安らぎを心の目で見て表現してゆくのです。

こうしてできあがったのがロザリオ礼拝堂。 マティス芸術の集大成とされる作品です。

ヴァンスの中心から徒歩20分ほどの町はずれ、ロザリオ礼拝堂の表示の先、屋根に装飾的な十字架が掲げられた白壁の建物が現れます。

玄関には白い壁を背景にシンプルな描線で聖ドミニコと聖母子の顔が描かれた表示の下の扉から礼拝堂に入ると青、緑、黄色の3色の ステンドグラスが出迎えてくれます。心があらわれるような光にみちた空間です。

礼拝堂の設計にあたり、マティスは、空、植物、光という3つのテーマをそれぞれ青、緑、黄色で表しました。

さらに白い壁いっぱいに聖ドミニコと聖母子像が黒い線で描かれ、中央に祭壇のあるシンプルな礼拝堂が広がっています。

礼拝堂や美術展示室ではマティスの素描や上祭服などマティスがデザインした様々な作品を観ることができます。

また、礼拝堂の庭に出ると緑に囲まれヴァンスの街をはじめ南仏プロヴァンスの景観を楽しむことができるスポットになっています。

このコロナ禍でひときわ再訪したい場所の一つです。














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ヴァンスのロザリオ礼拝堂 道路標識

ヴァンスのロザリオ礼拝堂
エントランス

ヴァンスのロザリオ礼拝堂 玄関装飾

ヴァンスのロザリオ礼拝堂

ヴァンスのロザリオ礼拝堂
 庭園

ヴァンスのロザリオ礼拝堂
 庭園

ヴァンスのロザリオ礼拝堂
 庭園





施設情報


ヴァンスのロザリオ礼拝堂
Chapelle Matisse
Chapelle du Rosaire a Vence, chef d’oeuvre d’Henri Matisse.
住所:
La Chapelle du Rosaire concue par Henri Matisse est situee:
466 avenue Henri Matisse, 06140 VENCE. FRANCE.
Tel. +33 (0)4.93.58.03.26.



開園時間・休館日:
*新型コロナ感染症蔓延防止のため通達のあるまで臨時休館中


詳しくは、直接お問い合わせいただくか
をご覧ください。
  http://chapellematisse.fr/index.html

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