特集:「My favorite parks 」

【28】金地院・・(京都南禅寺塔頭)


京都五山の別格に位置付けられた南禅寺、歌舞伎・石川五右衛門「楼門五山の桐」でも有名です。 金地院はその塔頭(禅宗寺院で祖師や高僧の死後その弟子が大寺に寄り添って建てた墓塔や庵などの少院) で南禅寺の手前右手に位置しています。


<この門から主庭に。明智光秀が母の菩提のために大徳寺に 寄進建立したものを明治時代に移建>

慶長の初め(1605年)に北山から以心崇伝長老が移建し、方丈(重要文化財)は 伏見桃山城の一部を徳川家光から賜り、現在に至ります。

以心崇伝(1569〜1633)は徳川家に近侍し天海僧正とともに幕議に参画し、自らは 天下僧録司として社寺の事を掌り、寺門繁興、威勢すこぶる盛大で「黒衣の宰相」 とも呼ばれ畏怖尊敬を一身に集めた名僧でした。


<東照宮に至る参道>

境内には崇伝長老が家康の遺髪と念持仏をお祀りした東照宮(重文)があります。


<東照宮前に建てられた家康の遺訓>

金地院といえば「鶴亀の庭」、方丈前に開けた桃山時代の風格を備えた江戸初期の 代表的枯山水が有名ですが、小堀遠州作庭の名高い名園です。

小堀遠州の作庭と言われる名園は数多いのですが、実は崇伝と小堀遠州は近しく、 この庭を造るにあたって二人が交わした幾つもの書簡が寺に残されているそうで、 まさしく本物なのです。


<鶴亀の庭・・左側が亀島。右側が鶴島>

右側の鶴島の鶴は前に丸石を据え巣ごもりの鶴を表し、家内繁栄の意を込めています。 徳川家光が来訪の折には上段の間から鑑賞されたのだそうです。


<鶴島>


<鶴の頭に見えるでしょう!>


<亀島、右側が頭です>

亀島の背中には創庭当時に植えられた真柏が素晴らしい枝振りの裸木を中心に 今もなお緑葉を見せています。 海洋を表す白砂の中央には東照宮を仰ぎ長方形の遥拝石が置かれて、白砂の間には 群仙島を象る石を点在させ、前方の崖地前には蓬莱石組が組まれています。 (亀島の海側に使われてる石は海石(紀州産)鶴島側は山石とのこと。) 背景の大刈り込みは幾重にも重なる山々(常緑樹)で深山幽谷を表し、完璧な枯山水の 庭です。


<弁天池>


<半夏生>

明治初年に移された弁天池にはちょうど半夏生が盛りで、涼しげな演出でした。

若い頃見学した時の印象と久しぶりに拝見した庭は感動の度合いが違いました。 それは当然のことながら、今回はちょうど最後の観客の私に奥様が丁寧な説明をして 下さったこともあり、美しい庭園は心にしみました。

時の頂点に立った将軍もこの庭を見て極楽浄土を夢見ていたのでしょうか。











 

プロフィール画像

[ 作者プロフィール ]

Caco
ガーデニング・
プランナー

農学部卒業後、ご主人と造園設計事務所を開所。現在に至る。

趣味:旅行、ガーデニング、テニス、絵本

トップページの「プロムナード」と「一鉢から始めるガーデニング」、新連載「私の好きな手仕事」は、ケータイ・サプリwebマガジンのための書き下ろしです。
使用されている全ての写真およびイラストの著作権は全て相馬和子さんにあります。