特集:「My favorite parks 」

【34】ヴィランドリー城の庭園(Chateau de Villandry)フランス/ロワール地方

フランスで一番長いロワール河沿いのなだらかな窪地には シュノンソー城をはじめ数々の古城が点在、ヴィランドリー城も その一つです。(ロワール渓谷は世界遺産に登録されています。)

プラタナスの並木ぞいの可愛いレストランが目印、でも城らしき姿は どこにも見当たらず、生垣の入口を抜けると初めて優美な城が目前に 現れました。


<庭園から見えるヴィランドリー城>

案内図を片手に高台への園路を行くと、城を囲むようにそれは見事なツゲの 装飾庭園、その向こうには幾何学模様の庭園が彼方の村まで続いていました。


<高台から見下ろすと見事な幾何学模様の庭園が>

1536年に竣工したこの城は長い歳月を経て崩壊寸前のところをスペイン人医師 J.カルヴァロが1906年に買収し、ルネッサンス様式の城の修復とともに中世の 修道院の菜園やルネッサンス風の池や水路、ツゲの刈り込みのある庭園の実現 に生涯をかけてました。


<ツゲの刈り込みとベコニアの装飾庭園>

土地の高低差を巧みに利用して、装飾庭園、水の庭園、菜園が作られ巡廻でき ますが、なんといっても注目したいのは菜園です。

中世ヨーロッパの修道院では薬草園やぶどう園が営まれ、その各種の薬や薬酒が 人々のために役立ったことは良く知られていますが、修道士たちが野菜を主役に 幾何学模様の庭園を造っていたという話は目からウロコでした。


<菜園には立型のバラの修道士(360本)が立っています。>

畑の要所にそれらの修道士の仕事に敬意を表して、彼らに見立てたバラの立木が 植えられているのも意義深いデザインです。

日常食卓に上る野菜類の独特の色や姿を生かし、大地のキャンバスに美しい模様を描いていて、 写真を見ただけでは誰もこれらが野菜とは思はないでしょう。ベルサイユ宮殿を代表とするフランス式 庭園の自然を意のままに操作・服従させる手法には少々嫌悪を感じる事もあるの ですがここまで完璧なものを見てしまうと、彼らの尽力にただただ敬服するばかり です。


<菜園の年間計画書>
 


<パンフレット>
        

菜園は30cm角の9つの正方形からなり、年間に植える野菜・草花の苗は25万本 とのこと。春には緑色の濃淡の野菜、夏には豊かな色彩のトマト,赤いレタス, カボチャ等に植え替えます。四季折々に庭師たちの丹精した作品が見学者たちを 楽しませてくれます。そしてとびっきり新鮮な収穫物を使った料理をは私たちも 入口のレストランで味わうことができます。 (追記・16世紀の野菜だけを栽培しているそう。庭師はフルタイム4人。)











 

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[ 作者プロフィール ]

Caco
ガーデニング・
プランナー

農学部卒業後、ご主人と造園設計事務所を開所。現在に至る。

趣味:旅行、ガーデニング、テニス、絵本

トップページの「プロムナード」と「一鉢から始めるガーデニング」、新連載「私の好きな手仕事」は、ケータイ・サプリwebマガジンのための書き下ろしです。
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