特集: flânerie(そぞろ歩き)

<四季折々の京都>

第33回 大徳寺界隈その3

梅雨明けの待ち遠しい今日この頃。例年並みだと7月20日頃となっていますが、今年は若干遅れるかもしれませんね。

旅行に出かける時は、お天気が気になるものですが、大雨以外は案外雨もいいものだということに 最近の京都旅行で気付かされました。

すっきりとよく手入れされた高名な寺院の広大な境内を巡るのは雨も風情があってよいものです。 さて、今回のフラヌリも、京都市北区紫野の静かなエリアに佇む大徳寺の塔頭を巡っています。


<大徳寺構内>

今回は、大徳寺の塔頭寺院のなかでも名勝と言われる枯山水の庭園を持つ大仙院からはじめましょう。


<大徳寺 大仙院>

大仙院は永正6年(1509)に大徳寺76世住職大聖国師(古岳宗亘禅師)によって創建され、 その後、大林宗套、笑嶺宗訴、春屋宗園、古渓宗陳といった名僧が続いた寺院。

茶の湯を大成された利休居士が,生前から親しく詣られたところとして有名で、 利休居士を中心とする茶人の系譜からは、歴代和尚と密接なつながりがあったことがうかがえるそうです。


<大徳寺大仙院>

室町時代随一といわれる庭園、方丈建築、襖絵など、国宝をはじめ貴重な文化財が多数あります。 襖絵は相阿弥、狩野元信、狩野之信といった室町時代の巨匠が手がけた作品により 室町時代の雰囲気を今日まで伝えています。


<大徳寺大仙院>

なかでも見所は、大仙院書院庭園(国の史跡及び特別名勝)。開祖古嶽宗亘による作庭といわれています。 室町時代を代表する枯山水庭園で、本堂(方丈)の北東の部屋である「書院の間」の 北から東にかけて作庭されています。

鶴島と亀島の間の蓬莱山から流れ落ちる滝が、大河となって大海に流れ込む景観を滝や橋などを含め石を用い 表現している書院庭園の素晴らしさは格別です。

大徳寺近辺にいらしたら是非お立ち寄りください。

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DATA
大徳寺 大仙院
京都市北区紫野大徳寺町52
TEL;075 -231 -7015



さて、次に訪れたのが瑞峯院。 天文年間(1532 - 55年)に九州のキリシタン大名として知られた大友宗麟が自らの菩提寺として創建しました。瑞峯院は、大徳寺の塔頭で、天文4年(1535年)に 大友義鎮(おおともよししげ/後の宗麟)が、徹岫宗九(てっしゅうそうきゅう)を開山として建立しました。 瑞峯院という寺号は宗麟の法名「瑞峯院殿瑞峯宗麟居士」から名付けられたものだそう。



表門(重文)をくぐり、玄関へ向かいます。玄関、本堂は創建時の貴重な建造物となっています。



端正なアプローチを進むと創建時の遺構といわれる玄関、その先に本堂が現れます。



そして餘慶庵、安勝軒、平成待庵と名付けられた特色ある茶室が3室あります。 

なんといっても庭園が見所で、方丈を中心として南・北・西の三庭からなっています。 いずれも昭和の名作庭家・重森三玲の作で、昭和36年(1961年)、開祖である徹岫宗九の400年遠忌に作庭されました。

独座庭は、方丈の正面に位置する蓬莱山式庭園で、巨石で表した蓬莱山からのびる半島と、 小島に打ち寄せる荒波をダイナミックな砂紋で描いていて見事です。 百丈禅師の言葉である「独坐大雄峰」という禅語からの命名だそうです。



本堂裏には、石組を十字架形にした閑眠庭があります。



今回は新旧いずれも素晴らしい枯山水の名庭が観られる大徳寺のそぞろ歩きでした。

DATA
大徳寺瑞峰院
京都市北区紫野大徳寺町81
TEL:075-491-1454

尚、作庭家・重森三玲については、今月号のガーデニング・特集:「My favorite parks 」
【26】重森三玲庭園美術館(旧重森邸)・・A
http://www.ktai-supli.jp/gardening/index.html
も合わせてご覧ください。