特集: flânerie(そぞろ歩き)
駒場公園(洋館・和館)
(東京都目黒区)
2023年も残すところひと月となりました。
この夏の異常気象にもかかわらず今になって晴天が続き穏やかな晩秋。
東京は紅葉がゆっくり進みまだまだそぞろ歩きが楽しめそう。
そこで、今回は東京都目黒区立駒場公園内に建つ重要文化財(建造物)「旧前田家本邸和館」と「旧前田家本邸洋館」を訪ねましたので、
ご紹介しましょう。
加賀百万石の16代当主・前田家の前田利為侯爵(1885−1929)の居宅跡です。
アクセスは井の頭線駒場東大前駅西口より徒歩8分。小田急線東北沢駅からも徒歩13分という抜群の好立地!
井の頭線駒場東大前駅西口を出て右手に進み、ゆるやかな坂道を上がって一本目の角を右に曲がり
閑静な住宅街をしばらく進むと左手の表示に従って、左折すると色付き始めた木立に囲まれた和風の門が見えてきます。
こちらが目黒区立駒場公園東門です。
「駒場公園東門」
門を抜けると左手に旧前田家本邸和館が静かに佇んでいます。
旧前田家本邸和館は、昭和5年に完成された書院造で、自然の木々をいかし、名石を配した庭園も魅力の建物。
外国人客をもてなすための建築だったとか。
現在一般公開している和館の一階部分は玄関から格式高い広間を当時のままの姿で公開されています。
広間の違い棚、欄間の凝った透かし彫りは見所!
縁側からは紅葉の始まった日本庭園の風情を楽しむことができます。
和館を楽しんだら、次は旧前田家本邸の洋館に向かいましょう。
洋館は、塔と車寄せのある英国伝統のカントリーハウス風デザインが印象的な建物です。
かっちりとした鉄筋コンクリート造の構造体に大理石とスクラッチタイルを装飾した重厚で落ち着いた佇まい。・
洋館にも靴を脱いで入館。一階左手から見学してゆきましょう。
渡欧経験が豊富で、駐英大使館附き武官も務めた前田家当の利為候は我が国にも外国からの貴賓を迎えられる邸宅が必要性であるとの
見解から洋館は、家族の生活の場でであると同時に迎賓館としてまた、和館は外国からの賓客に日本文化を伝える場として
建設されたといわれています。
そういったコンセプトで、1階は階段広間を中心に客人をもてなす豪華な空間を創設。
第一応接室とサロン、小客室、大客室、大食堂、小食堂と続き、その先の渡り廊下からは和館に移動できる設計となっています。
大客室
晩餐会の開催される大食堂が1階では一番格式が高く、その周囲に大小客室や応接室が配され用途に余って使い分けされていたそうです。
大食堂
小食堂
さて、2階に移ると、ご夫妻やお子様などご家族の部屋とともに使用人の部屋が設置されています。
侯爵夫妻の寝室
侯爵の書斎
その他洋館には、使用人の部屋も複数あります。質素ではありますが、小さな床の間がついていたり配慮されていたようです。
昭和3年から5年にかけて建設された重厚で豪華な旧前田家の邸宅はさすがに加賀百万国の当主だけあり、建物内観も極上の素材と
手仕事で制作されたもので見所満載!
駒場公園周辺には日本近代文学館や日本民藝館などもありますので、そぞろ歩きには最適のエリア。おすすめです。
【DATA】
目黒区立駒場公園:
目黒区駒場4-3-55
【旧前田家本邸和館】
目黒区駒場4-3-55
TEL:03-3460- 6725
一般公開日:火〜日曜・祝日
*年末年始除く
公開時間:午前9時〜午後4時まで
【旧前田家本邸洋館】
目黒区駒場4-3-55
TEL:03-3466-5150
一般公開日:水〜日曜・祝日
*年末年始除く
公開時間:午前9時〜午後4時まで
見学料:両館とも無料
https://www.city.meguro.tokyo.jp/douro/shisetsu/sports/komaba.html