特集: flânerie(そぞろ歩き)

<四季折々の京都>

第51回 妙心寺 退蔵院ー3

2021年1月から特集「そぞろ歩き」は、京都市右京区花園に位置する臨済宗大本山妙心寺派の塔頭寺院・退蔵院をご紹介しています。

大本山妙心寺の中でも屈指の古刹、禅寺としての落ち着いたたたずまいの枯山水庭園と池泉回遊式の華やかな庭園美で知られた寺院です。

今回は、いよいよ名園として名高い広大な池泉回遊式庭園「余香苑」をご紹介しましょう。

「昭和の小堀遠州」といわれた造園家、作庭家、中根金作(1917年- 1995年)により設計され、昭和38年に着工、3年を費やして 完成された庭園です。

ちなみに中根金作は、足立美術館庭園(島根県)や、ボストン美術館天心園(米国)を はじめとする数多くの名園を手掛けたことで知られている造園家、作庭家です。

静岡県磐田郡天竜村(現・磐田市)に生まれた中根金作は、静岡県立浜松工業学校を経て、 一時就職しましたが、東京高等造園学校に進学し卒業後の1943年に京都府の園芸技師に任用、 文化財保護課課長補佐等を歴任。その後は裏千家学園茶道専門学校講師などを務める傍ら、 1966年に中根庭園研究所設立し、大阪芸術大学学長・浪速短期大学学長なども歴任。

前述した足立美術館庭園、ここでご紹介する退蔵院余香苑、城南宮楽水苑、大仙公園日本庭園など日本国内と海外で 300近い庭園を作庭してもいるそうです。



それではゆっくりと庭園を巡ってゆきましょう。

なだらかな勾配をもつ園内には桜、蓮、楓など四季を彩る植栽、大小の石、せせらぎが巧みに配され変化に富む景観です。



途中には東屋が設置されています。



また、水金窟を過ぎると売店があり、 国宝「瓢鮎図」にちなみ「なまず」をあしらったグッズを始め、 参観記念の退蔵院オリジナルのおみやげが豊富に取り揃えられています。



庭園の中心には退蔵院に収蔵されている国宝「瓢鮎図」にちなんだひょうたん池が設えられています。



正面から庭園を見渡すと、奥行きが生まれ、庭園が広く見えるなど随所に払われた工夫、 一年を通して、紅しだれ桜や藤、サツキ、蓮、金木犀、楓などの植栽が華やかに彩る魅力的な庭園。



四季折々訪れたいモダンな池泉回遊式庭園です。



DATA
臨済宗 大本山 妙心寺 退蔵院
京都市右京区花園妙心寺町35
TEL.075(463)2855
拝観時間:9:00〜17:00
https://www.taizoin.com/