特集: flânerie(そぞろ歩き)

<四季折々の京都>

第37回 円通寺

秋も深まってきました。 昨秋は、関西地方を襲った台風の爪痕が各所に残っていましたが、今年の京都の紅葉はどうなるでしょうか。

さて、今回のフラヌリは、京都市左京区岩倉の円通寺を訪ねます。

国の名勝として円通寺庭園で名高い臨済宗妙法寺派の寺院。山号を大悲山といい、本尊は聖漢音です。

アクセスは、JR京都駅から地下鉄烏丸線「国際会館」または、「北大路」から京都バスで、 「自動車教習場」下車約8分。健脚の方は、「北山駅」下車徒歩30分もいいかもしれません。



最寄りのバス亭から円通寺道を緑濃い閑静な里山エリアに向かって歩いてゆくと、円通寺参道が見えてきます。 参道を進むとこじんまりとしていますが格式の高そうな雰囲気の山門があります。



静かにたたずむ書院に入り、さっそく庭園を拝見することに。

創建当時の人々にとって木の間からはるかに望む 比叡山の姿にどんなにか癒されたものだったでしょう。



元は後水尾上皇の山荘であった幡枝御殿といわれ、庭園もこのころの作庭とされています。 近衛家に譲渡された後、圓光院殿瑞雲文英尼大師が開基となり皇室の祈願所となったそうです。、
書院東の庭園は、枯山水様式で、中央広場に苔がはられ、背の低い刈込と大小40個あまりの石が点在しています。

上皇自らが好んだ借景を12年も探してこの地に定め御殿を建てたそうなので、なによりこの風景をいかす 作庭になったのも当然です。しかも低い目線にあわせた水平が際立つ造りとなっています。

比叡山を遠く望む借景式庭園として名高い「名勝 円通寺庭園」。京都ならではの貴重な風景が特徴です。

この風景を守るため、邪魔になる高層の建造物を建てることなどそれを阻害することをを規制するなど条例が設けられ ているのも貴重です。

交通の便があまりよくないため、今はまだ来館者も多くないので、ゆっくりと素晴らしい借景とそれをいかす 作庭を楽しむことができる円通寺。おすすめです。

DATA
円通寺(圓通寺)
京都市左京区岩倉幡枝町389
TEL:075-561-3585




もうひとつの借景庭園といわれる庭園を公開しているのが、 正伝寺です。
寺は、臨済宗南禅寺派に属し、吉祥山正伝護国禅寺といいます。

方丈の前庭に、石はなく、白砂とサツキなどの刈込だけが ならんでいていたってシンプル。

比叡山を借景とする魅力的な枯山水庭園が見所です。

DATA
正伝寺
京都市北区西賀茂北鎮守町番長72
TEL: 075-531-4171