特集: flânerie(そぞろ歩き)
<四季折々の京都>
第23回 紫野 今宮神社
9月になり京都にも秋の足音が聞こえてきました。
そろそろ早朝のそぞろ歩きができる頃かもしれません。
そこで、今回は、パワースポットとして知られる京都市北区紫野にある今宮神社をご紹介しましょう。
今宮神社は、別名「玉の輿神社」とも言われる京都北区の大きな神社として知られています。
この土地には、平安建都以前から疫神を祀る社がありました。
建都後、平安京が都市として栄える一方で、人々はうち続く疫病や災厄に悩まされ、これを鎮めるため神泉苑、
御霊社、祇園社など各地で盛んに御霊会が営まれました。今宮神社は、正暦5年(994)の紫野御霊会が起源です。
6月の行事で設えられる拝殿の前の茅の輪も当時からの慣わしでしょうか?
幣殿正面に建ち、境内の中央に位置する拝殿の内部にかけられている三十六歌仙は、平成17年に「西陣の日」事業協議会から奉納されたものだそうで、
これら全ては西陣織で作られています。
拝殿の奥に疫社と写真の本社があります。
さて、今宮神社が別名「玉の輿神社」とも言われる所以は、
徳川五代将軍綱吉公の生母桂昌院がお参りしていた神社であること。彼女は、西陣の八百屋に生まれ、その名は「お玉さん」と伝えられます。
三代将軍家光の側室にあがり、後に将軍の生母として大奥で活躍、
従一位という女性として最高位にまで昇り詰めた事から「玉の輿」の語義の起こりともされています。
桂昌院は故郷である西陣の興隆に努めるとともに、産土の社今宮神社の再興にも力を尽くし、
社領百石を寄進して社殿を修復、四基の祭鉾も新たに設え今宮の祭礼は賑わいを極めたと云われていて、境内にはそのレリーフも飾られています。
赤い楼門は際立っていますが、東門は格式ある佇まいです。
今宮神社といえば、有名なものがもう一つ、東門前の名物「あぶり餅」。
あぶり餅は、きな粉をまぶした親指大の餅を竹串に刺し、
炭火であぶったあとに白味噌のタレをぬった餅菓子です。
今宮神社に奉納された斎串(いぐし)であり、今宮神社で毎年4月の第2日曜に行われるやすらい祭の
鬼の持つ花傘の下に入ると御利益があるのをたとえとし、食べることで病気・厄除けの御利益があるとされています。
向かい合って2軒のお店があり、きそって呼び込みをしています。
今回立ち寄ったのが「かざりや」さん。
「あぶり餅」のこねる、くしに刺すから炭火で焼くまでの実演も見ることができます。
昔ながらの製法で作られたお餅の一人前の多さにびっくり!
お茶とお餅でホット一息して、パワーアップ!
残暑の残るころのプチそぞろ歩きにいかがでしょう。
DATA
所在地: 〒603-8243 京都府京都市北区紫野今宮町21
電話: 075-491-0082
http://imamiyajinja.org/
あぶり餅
かざりや
京都府京都市北区紫野今宮町
TEL:075-491-9402