特集: flânerie(そぞろ歩き)

<四季折々の京都>

第27回 法然院〜泉屋博古館

日本のお正月は、独特の休日感のある世界でもまれなイベントだと思いますが、いかがでしょうか?

元旦は、家族とお節を囲み、地元の神社へ初詣が定番?

さて、年明け最初のフラヌリ―は、京都の人気散歩道、洛東の銀閣寺から南禅寺方面まで続く 「哲学の道」に沿う筆者お気に入りのエリア。

今回は、東山西麓に静かにたたずむ法然院を中心に2018年12月のアート&カルチャーでご紹介した泉屋博古館まで そぞろ歩いてみましょう。

さらに健脚の方なら、紅葉で有名な永観堂や南禅寺まで足を延ばしてもいいかもしれません。

まずは、起点となる銀閣寺に立ち寄り、国宝に指定されている観音殿(銀閣)や最古の書院造の東求堂を垣間見て名園を巡り、 東山文化の粋を楽しみましょう。


<銀閣寺>

その後、銀閣寺門前の道か、または、疎水まで戻り哲学の道を南へ進み 山に向かって上っていくと、ほどなく深い緑に囲まれた法然院の石段に到着します。


<法然院>

法然院は、京都市左京区鹿ヶ谷にある浄土宗系の寺院です。元は浄土宗内の独立した一本山でしたが 昭和28年に浄土宗から独立し、単立宗教法人となりました。

正式名は、「善気山法然院萬無教寺」、別称は「本山獅子谷法然院」といわれています。

この地はもと法然上人が弟子の住蓮、安楽と六時礼讃を勤めた旧跡。 ほぼ廃絶していたものを1680年に知恩院第三十八世万無心阿上人と弟子、忍微が中興したそうです。


<法然院山門>

本堂には恵心僧都作、阿弥陀如来坐像と法然上人自作木像を安置しています。

方丈は桃山御陵の遺物を移設したものといわれ、襖絵十四面の「桐に竹図」「若松図」「槇に海棠図」及び屏風の松図は、 いずれも重要文化財に指定されています。


<法然院山門>

内部は限られた期間を除き、公開していませんが、山門越しにのぞく境内の紅葉や椿と 白砂壇の美しい風景を楽しむことができます。


<白砂壇>

山門を入ると、両側に白い盛り砂があります。水を表わす砂壇の間を通ることは、 心身を清めて浄域に入ることを意味しているそうです。
 

<白砂壇>

白砂壇には水と季節感を表現した模様が描かれているのが魅力!


<庭の苔>

奥に進むと苔で覆われた庭が続きます。静かで雰囲気のある寺院。

春は椿の庭で有名な法然院、1週間の特別公開に合わせて再度訪ねたいものです。

法然院
京都府京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町30番地
TEL: 075-771-2420
http://www.honen-in.jp/


法然院をでて住宅街をさらに南へ進むと左手石段の上にに安楽寺があります。
<安楽寺>

住蓮山安楽寺は、京都左京区鹿ヶ谷にある法然上人の弟子、住蓮上人と安楽上人を開基とするお寺です。 この開山両上人が、現在地より東1キロメートルあたりに「鹿ヶ谷草庵」を結び、 布教活動の拠点を持たれたのがこのお寺のはじまりとか。


<安楽寺>

住蓮山安楽寺では、春と秋のお花の時期、紅葉の時期に一般公開をしています。 庭園をはじめ、本堂・書院を解放しているそうです。詳しくは安楽寺HPでご確認ください。

DATA
京都市左京区鹿ケ谷桜谷町47番地
TEL:075-761-6277
http://anrakuji-kyoto.com/



<大豊神社>

さて、山側の道をさらに進むとこじんまりとした大豊神社に遭遇します。

平安時代前期の887(仁和3)年、宇多天皇の病気平癒の祈願のために、 椿ヶ峰に奉祀してしたのが始まりと伝えられています。。 1954(昭和29)年、京都市よりいにしえの都の古刹として「名勝地」に指定されました。 現在は「狛ネズミの神社」として DATA
大豊国神社
京都府京都市左京区鹿ケ谷宮ノ前町1
075-771-1351


再び哲学の道に戻り鹿ケ谷通りを南下すると右手にこじんまりとした 泉屋博古館の庭園があります。


<泉屋博古館>



<泉屋博古館>
泉屋博古館の詳細は、アート&カルチャー2018年12月号へ。
http://www.ktai-supli.jp/art/index.html