特集:「My favorite parks 」
【13】ジャイアンツ・コーズウェイ
Giant’s Causeway
(英国連邦・北アイルランド)
アイルランド屈指の観光名所、世界自然遺産ジャイアンツ・コーズウェイは
北アイルランドの北部に位置します。
アイルランド島の面積は北海道と同じ
位ですが、その約1/5程が英国連邦の北アイルランドなのです。
今回の旅では、アイルランド共和国の首都ダブリンを振り出しにドライブを
しながら目的地に向かいましたが、両国の間には国境らしきものは見当たらず
通貨が突然ユーロからポンドに変わるのは不便でした。
牧草地にのんびりと羊が草を食むのどかな風景、時々小さな町や集落を通り
過ぎるとまた同じ景色が続きます。
大西洋に面したコーズウェイ・コーストは、東のキャリック・ア・リード吊橋
から、西の15〜16世紀に建てられたダンルース城の廃墟までの20kmのウォー
キング・ロードが造られ、ナショナル・トラストが管理していますが、その
1番の目玉がジャイアンツ・コーズウェイです。
<キャリック・ア・リード吊橋>
キャリック・ア・リード吊橋は人数を制限して渡ります。
<ダンルース城の廃墟>
この辺りの海辺は断崖絶壁が多く、ひとまずビジターセンターからミニバスに
乗り換えます。
海に向かって斜面を下って行くと、風景は緑の草原が一転して
大海原から打ち寄せる波を待ち受ける石、石、石の世界に変わりました。
<六方石の海岸>
4万個とも言われる六方石は、写真では見ていても実物のその迫力には度肝を
抜かれます。まるで人工的に成形した敷石を匠がその技でピッタリと敷きつめた舗道、
京都のどこかの庭で見たような立石群、山はだの壁画など、どれもモダンアート状態です。
<山はだにも露出している六方石の壁画>
<石柱の壁>
<大西洋の荒波と玄武岩の六方石群>
科学が発達する以前は神話や伝説で説明するしかなかった訳ですが、確かに
「巨人の道」は適切な命名と思いました。一つ一つの石塊は思いの外大きく、厚く、
立派で、ここが日本ならば日本庭園に欠かせない名石として、また灯篭や蹲の
素材として尊ばれたことでしょう。ナショナル・トラストの冊子によれば、かつて
アイルランドでも切り出され珍宝として売り出されていたそうです。
<まるで匠の技のような美しい舗道>
およそ6000万年前のこと、火山の噴火後の溶岩が冷却と収縮を繰り返し、固まった
物にヒビが割れ始めます。それが三叉のヒビになり、やがてくっついて4〜7角形の
割れ目になります。その後冷却の進行に伴い下方に進んだヒビで石柱が形成されたと今では
考えられているそうです。なんと珍しい風景なのでしょう。
自然の力でしか作ることのできない大地の彫刻です。見方によっては超ダイナミックな
日本庭園にも思えました。
「巨人の道」と複雑に入り組んだ断崖や美しい岬、そして見渡す限りの海は他に類を見ない
場所で、大自然のエンターテイメントを存分に楽しみました。
Giant’s Causeway
https://www.nationaltrust.org.uk/giants-causeway