特集:世界の最も美しい村々


2 .伊那市高遠町

旅のヒントでは、4月から新たに「世界のもっとも美しい村々」 と題し、「フランスの最も美しい村」(Les plus beaux villages de France)に加え、 日本を中心にこの活動に参加する世界各国の最も美しい村々のご紹介をはじめました。

そこで、今回は日本に場所を移し「日本で最も美しい村」連合に参加する信州の伊那市高遠町をご紹介しましょう。

ところで、「日本で最も美しい村」連合は、2005年に7つの町村からスタートしました。

「日本で最も美しい村」連合 The Most Beautiful Villages in Japan
http://utsukushii-mura.jp/

フランスの美しい村を厳選し紹介する「フランスの最も美しい村」運動に続けと、 失ったら二度と取り戻せない日本の農山漁村の景観・文化を守りつつ、 最も美しい村としての自立を目指す運動を推進する取り組みをしています。

さて、伊那市高遠町は、2006 年の大合併により誕生した伊那市の中の旧高遠町の区域です。

長野県南部の伊那谷の北部に位置し、中央構造線に沿う長い縦谷で、東に南アルプス、西に中央アルプスを望む美しい風景が 自慢の地域です。

中央アルプスの残雪


なんといっても有名なのが、「天下第一の桜」と称される高遠城址公園の「タカトオコヒガンザクラ」。
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高遠城址公園


城址公園は、武田信玄の五男仁科五郎盛信が織田信長の長男信忠と戦い、壮絶な死を遂げた高遠城の遺構。 城は、取り壊され、明治8年(1875年)に公園に。

高遠閣


そして、公園になった時に高遠藩の旧藩士達が「桜の馬場」から移植した「タカトオコヒガンザクラ」が今では約1500本になり、全国でも有数の 桜の名所となったそうです。

太鼓櫓




タカトオコヒガンザクラ



伊那市高遠美術館前で


また、多くの文化財、名所旧跡に富んだ山間の城下町でもあります。

戦国時代から江戸時代にかけて、高遠城を中心に栄え、260年に及ぶ徳川治世のなか、高遠藩主は保科氏、鳥井氏、内藤氏と引き継がれ、 政治・経済の中心地として発展しました。

高遠湖の畔にある「伊那市立高遠町歴史博物館」には、古代・中世から現代に至る高遠城と城下町高遠の歴史、文化、人物、民俗などが展示されています。


伊那市立高遠町歴史博物館




伊那市立高遠町歴史博物館



敷地内には、徳川6代将軍家宣の側室に仕えた大奥女中頭の「絵島」が、絵島生島事件で高遠に流刑とされ、 61歳で生涯を閉じるまでの28年間の余生を過ごした「絵島囲み屋敷」も復元されています。


絵島囲み屋敷



高遠はとりわけ文化・学問の地としても知られ、当時の藩校であった進徳館からは、 明治時代を支えた優れた人材を多く生み出したことでも知られています。 城内に設けられた藩校が現存するのは珍しい事例だそう。

進徳館



進徳館


また、高遠町の特産品として、高遠饅頭や高遠焼もあり町内には、窯元もみられます。

高遠焼




日本百名城の一つである歴史を持つ城下街、天下第一のさくらの名所などなど 自然や歴史、文化など見所満載の伊那市高遠は日本でもっとも美しい村の一つと言っていいかもしれません。