ドイツ・ファンタスティック街道と南仏の美しい村を訪ねて 
Fantastic Road in southwest Germany & the beautiful villages in French Riviera
2.自動車王国、自転車天国

ドイツ南西部Baden-Wurttemberg(バーデン・ヴュルテンベルク)の州都Stuttgart(シュトゥットガルト)は、中央駅の塔の上に輝くベンツのマークが象徴する ように、ドイツ自動車産業を代表する、ダイムラー社(Daimler AG)やポルシェ社(PorscheAG)の本拠地として良く知られています。

ホテルのエレベーター脇にもポルシェのオブジェが

ホテルのエレベーター脇にもスポーツカーのオブジェが

ガソリン式自動車の祖の一人といわれる、ドイツ人技術者のカール・ベンツは、1883年ベンツ社(Benz & Cie)を創立しました。1900年には、もう一人の自動車の祖ドイツ人技術者のゴットリープ・ダイムラーとヴィルヘルム・マイバッハなどによりダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフト社(Daimler Motoren Gesellschaft, DMG)が設立されます。1926年両社は合併し、ダイムラー・ベンツ社(Daimler-Benz AG)が誕生、「メルセデス・ベンツ」ブランドの自動車や、戦車、船舶、航空機エンジンなどのメーカーとして発展します。
その後1998、ドイツのダイムラーベンツ・アーゲーとアメリカ合衆国のクライスラー・コーポレーションの合併で、ダイムラー・クライスラー社が誕生しますが、2007年10月クライスラーが投資会社に買収されたため、Daimler AG(ダイムラー・アーゲー)となり現在に至っています。

シュトゥットガルトには、ミュージアムを含むメルセデス・ベンツ・ワールドがあり、人気観光スポットになっていますが、、月曜日で、休館日だったため、やむなくポルシェミュージアムに行くことにしました。

(ポルシェ社)

ポルシェ社

高級スポーツカーやレーシングカーメーカーとして抜群のブランド力をもっているポルシェのミュージアムは、シュトゥットガルト中央駅からS-Bahnで30分位の郊外にあります。
最寄駅の上りホーム側正面にポルシェのショールームが、その先に本社や工場などが展開しているらしく、辺り一帯すべてがポルシェ社。ミュージアムは、工場地帯を10分ほど歩いた奥まったオフィスの一角にあります。

ミュージアムといっても、建物のワンフロアーにいくつかの代表車種が展示されていて、その奥にショップがあるだけという簡単なもの。

(ポルシェ社)

ポルシェ社

しかし、展示されている車は、ポルシェファンには垂涎ものなのでしょう、見学者はさかんに写真を撮っていました。
ポルシェ社は、フォルクスワーゲン・タイプ1を作り上げたフェルディナンド・ポルシェ(Ferdinand Porsche)の息子であるフェリー・ポルシェ(Ferry Porsche)によって1947年に創業されました。

(ポルシェミュージアム)

ポルシェミュージアム

レーシングカーとならんで、設立の経緯を表す車種も展示されていますね。

(ポルシェミュージアム)

ポルシェミュージアム

ショップで販売員ご推薦のミニチュアカーを購入。

(ミニチュアカー)

ミニチュアカー

ミュージアムには結構見学者がきているのですが、ほとんどがマイカーなのでしょう、駅に戻る人影はまばら。再びS-Bahnでシュトゥットガルト中央駅へ。途中から熟年のご夫婦が自転車で、電車に乗ってこられました。中央駅でも自転車ごと電車に乗り込む人たちを結構見かけます。

(シュトゥットガルト中央駅)

シュトゥットガルト中央駅

ドイツでは電車や列車に自転車を載せるサイクルトレインが普通だそう。また、自転車も皆様ママチャリなどでなく、サドルの高いスポーツタイプをかっこよく乗りこなし、颯爽と走ってますね。
ドイツは、自動車も自転車もかっこいい!

(歩行者専用ゾーン標識)

歩行者専用ゾーン標識

また、歩行者専用道も確保されています。中央駅前のショッピング街には歩行者専用ゾーンのかわいい標識が。

(コミュニティ道路標識)

コミュニティ道路標識

Bodensee(ボーデン湖)に近いWeingartenの街のコミュニティ道路標識も
かわいいですね。
コミュニティ道路とは、人と車の共存を図るために考え出された道路で、
車道を蛇行させたり、ジグザグにしたり、路面に段差をつけたりと、
車のスピードを心理的、物理的にに抑えるデザインとなっています。

(サイクルトレインを降りた自転車族、Ravensburg駅)

サイクルトレインを降りた自転車族、Ravensburg駅

ドイツは、歩行者、自転車、自動車が快適に共存できる仕組みが整っているようです。 なによりこの国がルールを尊重する社会であることが、それを可能にしているのかもしれません。